RTX、低層防空ミサイル防衛センサーの生産開始
マサチューセッツ州アンドーバーで、RTX(NYSE:RTX)の傘下にあるレイセオンが重要なマイルストーンを達成し、低層防空ミサイル防衛センサー(LTAMDS)の生産へと進むことが報じられました。この移行は、米陸軍が行った一連の厳しい飛行試験に合格し、「マイルストーンC」として公式に認定されたことによります。
LTAMDSは、実際の脅威を想定した8回の飛行試験をすべて成功裏にクリアしました。これにより、米陸軍はこのレーダーシステムの能力を証明し、生産および配備段階への移行を認めました。このシステムは、米陸軍による防衛任務をサポートするための「プログラム・オブ・レコード」に正式に指定されており、その信頼性と準備が整ったことを示しています。
レイセオンの陸戦力&防空システムズ部門の社長、トム・ラリバティ氏は、「プロトタイプから生産段階への迅速な移行は、前例のない成果です」と述べ、米陸軍との協力的なパートナーシップに感謝しています。
このLTAMDSプログラムは、急激なスピードで進展し、360度からの統合防空能力を提供することが可能となったと彼は語りました。また、米陸軍はMTS(Middle-Tier Acquisition)調達方式を活用し、従来数十年かかるところを短期間でプロトタイプの開発と配備を実現しました。
レイセオンは、2019年に受注した契約で最初の6基のLTAMDSを最近納品。さらに8基を追加生産中であり、年間生産数を12基へと増加させる準備も整えています。第7基と第8基は今年後半に納入が予定され、2024年8月には契約に基づくポーランド向けのレーダーも製造中です。ポーランドはLTAMDSを導入する最初の海外顧客となり、他の国々からもLTAMDSに関する問い合わせや見積もり依頼が寄せられています。
レイセオンは、長年にわたり米国政府や同盟国に対して、防空ミサイル、防衛システムにおける革新を進めてきました。そして技術革新に努め、国際的な安全保障体制を強化するためのソリューションを提供しています。
RTXは世界最大の航空宇宙・防衛企業として国際自由市場において重要な役割を果たしており、今後の2024年の売上高は800億ドルに達する見込みです。科学技術の最前線で挑戦し続けるRTXは、国際的な防衛技術の進展に寄与していくことでしょう。