グロービスが新たな人材育成モデルを発表
グロービス経営大学院大学が最近、公表した「グロービス・ケイパビリティ・モデル(GLO-CAPA、通称グロケパ)」が人材育成の分野で大きな注目を集めています。企業の経営や個人のキャリア形成が変化する現代において、グロービスは独自のフレームワークを導入し、ビジネスパーソンの行動やリーダーシップを多面的に評価するアプローチを提案しています。このモデルは、企業が求める成果を創出するために必要な要素を体系化しようとするものです。
背景
現代のビジネス環境は、テクノロジーの進化とともに急速に変化しています。AIや自動化技術の進展は業務の効率化を実現する一方で、従業員には今まで以上に柔軟な対応力が求められています。多様化する産業構造の中で、企業は適応力のある人材を求めるようになり、個人もキャリアの構築において主体性を必要とされる時代となっています。
その中で、人的資本経営は企業競争力を高めるための重要なテーマとして浮上しています。とはいえ、企業が求める能力や人材要件についての科学的かつ体系的な指標が不足しています。そのため、各企業が独自の基準に基づいて人材を評価し、育成施策が断片的になるという課題が浮かび上がります。
グロービス・ケイパビリティ・モデルの概要
新たに開発された「グロービス・ケイパビリティ・モデル」は、資質、意識、能力、行動に転化する力という四つの側面で成り立っています。本モデルの特長は、単に静的な要素を評価するだけでなく、個人の能力をどのように具体的な成果に結びつけるか、つまり行動に転化する力に重きを置いている点です。
モデル内では、「行動を起こす力」「変化に適応する力」「やり遂げる力」が評価基準として定められており、具体的にはそれぞれ資質、意識、能力、そして行動に変える力として整理されています。このアプローチは、従来のモデルから一歩進んでおり、行動に関する動的なプロセスを捉えることに重きを置いています。
社会へのインパクト
グロービスのこの新しいモデルは、企業が人材の採用、育成、評価、配置、サクセッションを一貫した枠組みで考えることを可能にし、戦略的人材マネジメントの透明性向上と育成施策の統合的アプローチを促進します。また、個人にとっても自身の成長課題を把握し、自らのキャリア形成に活かせる指針を提供することで、より主体的な行動を促します。
新たに設立されたGESRI
このモデルの理論を更に精緻化し、科学的に検証するための附属研究機関「グロービス教育科学研究所(GESRI)」が設立されました。GESRIは、人的資本経営を支えるために、教育の成果を測定・検証する仕組みを確立し、エビデンスに基づいた人材育成策を検討します。グロービスの30年以上にわたる教育実績と蓄積してきたデータを基に、実績をあげるための知見を広く提供することを目指しています。
この「グロービス・ケイパビリティ・モデル」の導入とGESRIの設立は、企業や教育機関にとって新たな機会を創出し、個々の成長を支援するための重要なステップとなるでしょう。今後の展開から目が離せません。