第一生命の会計スマート化
2023-08-07 11:00:03
第一生命保険が目指す会計業務のスマート化とDXの加速とは
第一生命保険のイノベーションが進む中で
2023年5月、第一生命保険が新しい会計システムを本社で稼働開始しました。このシステムは、30年近く運用されていたメインフレームと2006年に導入したオンプレミスタイプの「SAP® ERP」を統合し、業務を簡素化・集約化するための大規模な変革プロジェクトの一環です。これにより、会計業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、ペーパーレス化の推進やテレワークの実現が進むことが期待されています。
背景にある課題
第一生命の会計システムは、メインフレームという古い仕組みに加え、オンプレミスの「SAP® ERP」が導入されていました。しかし、その結果として、業務は二つのシステムで分断され、非効率な状況が続いていました。また、オフィスでの業務が中心であったため、従業員は出社し、印鑑を用いた決裁が必要でした。これでは、テレワークなど新しい働き方には柔軟に対応できないという課題が浮上していました。
新しい会計システムの構築
このような背景を受けて、第一生命は「スマートな働き方」「スマートな会計組織」「スマートな会計インフラ」という将来像を描き、2021年4月から本格的な変革に着手しました。主な目的は、会計システムのリアルタイム性と証憑類の保存能力の向上を図ることでした。「SAP S/4HANA®」を基盤にしたクラウドシステムへ移行することで、業務プロセスの簡素化を実現。これにより、ペーパーレス化が進み、効率的な業務遂行が可能になりました。
プロジェクトチームの役割
このプロジェクトは、第一生命情報システムとアビームコンサルティングの協力によって実現しました。第一生命情報システムは、メインフレームシステムと新しいシステムの連携を実現し、導入後の運用保守も担当しました。一方、アビームコンサルティングは、業務のデジタル化に向けての戦略立案から導入まで、幅広くサポートしました。両者の専門知識と経験が、このプロジェクトの成功を支える大きな要因となりました。
将来の展望
今後は、この新しい会計システムを基に、最新のデジタル技術を活用した業務の更なる効率化を図るとともに、会計データを有効に活用した経営判断の向上を目指します。第一生命は本社だけでなく、全国にある92の支社及び1,153の営業オフィスにおける会計業務のDX化も視野に入れています。
第一生命グループについて
第一生命保険は1902年に創業し、「お客さま第一」を理念とし続けています。生命保険の提供を基盤にしながら、「健康・医療」「資産形成・承継」の分野でも活動を広げ、顧客のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上を目指しています。また、第一生命情報システムはITとビジネスを結びつけ、より良い社会の実現に向けた活動を進めています。
このように、第一生命保険が進める会計業務のデジタル化は、企業の経営効率を向上させるだけでなく、社会全体にも良い影響を及ぼすことが期待されています。
会社情報
- 会社名
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アビームコンサルティング株式会社
- 住所
- 東京都中央区八重洲二丁目2番1号東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー
- 電話番号
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