北海道江別市に新たな療養通所介護「ランプの貴婦人」がオープン

2023年6月1日、北海道江別市に新たに開設された療養通所介護事業所、「ランプの貴婦人」が注目を集めています。この事業は、在宅医療と介護の一体的な提供を目指す取り組みの一環であり、特に団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に向けて、医療費や介護費の急増が懸念される中で、地域社会の持続可能性を高めることを意図しています。

厚生労働省が推進する地域包括システムにおいて、医療と介護は自宅での生活を基本とし、住み慣れた環境でのケアが重要視されています。近年、医療機関での在院日数短縮が進む中、早期に自宅復帰を促す流れが強まっていますが、一方で重度の介護が必要な方や終末期の患者さんを支えるサービスの拡充が求められています。ここで療養通所介護が果たす役割は非常に重要です。

療養通所介護は、利用者の身体機能の維持や、介護を行う家族の負担軽減、さらには社会的孤立感の解消を目的として、2006年に創設されました。しかし、利用者の中で要介護5が占める割合が74％以上であるにも関わらず、2015年の時点での事業所数は全国でわずか84と、非常に厳しい状況です。このような中、ヒューマンリンクがこの事業に参入する理由の一つは、地域が抱える問題に対処し、持続可能な地域社会を構築するための貢献を目指しているからです。

江別市の介護現状は特に厳しく、人口10万人以上の自治体での在宅死亡率は全国で第2位。高齢者が在宅での生活を望んでも、医療機関での退院調整がスムーズに進まず、入院が長引く実情が明らかになっています。実際、日本には在宅で最期を迎えることを希望する方が多い一方で、実際には8割以上が医療機関で亡くなっているという、望ましい結果が得られていないのが現実です。

これらの課題を解決するため、ヒューマンリンクは、看護職の専門的な視点と介護職の生活を支える力が融合する「ケアミックス」を基本にした療養通所介護事業を開始します。これにより、地域の中で切れ目のない、継続的な在宅医療と介護の体制を構築していくことを目指します。また、療養通所介護の利用者の9割が利用している訪問看護ステーションを併設することで、主治医との連携や24時間体制での看護支援を強化し、より手厚いサービスを提供していけるよう努めます。

このように、ヒューマンリンクは江別市において、地域に根ざした医療と介護の新たなモデルを展開することで、在宅での自立的な生活を支え、地域社会の活性化に貢献することを目指しています。

■会社概要
社名：株式会社ヒューマンリンク
所在地：北海道札幌市中央区北2条西3丁目1-8
設立：2010年8月26日
資本金：1億3,300万円
代表者：田中紀雄
事業内容：通所介護事業、介護予防通所介護事業、訪問看護事業、居宅介護支援事業、障害児通所支援事業、フランチャイズチェーン事業
URL：http://www.human-link.co.jp