インスリン投与システム特許
2025-03-12 16:50:30

1型糖尿病患者向けインスリン投与量判定システムに特許取得

1型糖尿病患者を支える新技術、その特許取得の背景



富山県に本社を構えるキュアコード株式会社が、国立大学法人富山大学と共同で開発した「1型糖尿病患者向けインスリン投与量判定システム」が、2024年10月16日に特許を取得しました。この特許(特許第7568605号)は、1型糖尿病患者の生活の質(QOL)を向上させることを目的とした画期的な技術を基盤としています。

1型糖尿病とは


1型糖尿病は、自己免疫疾患の一つで、膵臓のβ細胞が破壊されることでインスリンが分泌されなくなります。国内では推定10万から14万人の患者が存在しており、患者は生涯にわたってインスリン注射が必要です。従来、患者は食事内容を一定に保つ必要があり、医師の指示に従ってインスリンを注射することが求められてきましたが、これは現実的には難しい場合もありました。このような背景から、患者のQOLを低下させる原因となっていました。

特許の特長


今回の特許には、以下のような特長があります:

1. 個別化されたインスリン計算
各患者のカーボ/インスリン比やインスリン効果値を考慮し、最適なインスリン投与量を自動的に算出します。

2. AI画像解析による炭水化物量の推定
食事の写真を解析し、自動で炭水化物の量を計算。手入力の手間を軽減します。

3. 機械学習による精度向上
複数の患者から収集されたデータを基に機械学習し、投与量の計算精度を向上させることを目指します。

4. スマートフォンアプリの実装
カーボカウント機能を搭載したアプリを目指し、患者の生活に溶け込む使いやすさを追求します。

このシステムが実用化されれば、患者は広い食事の選択肢を持ちながら適切な血糖コントロールが可能となります。

専門家のコメント


国立国際医療福祉大学医学部の中條大輔教授はこの技術を称賛し、従来の食事制限から解放される可能性を指摘しました。特に、AI技術による炭水化物量の自動解析機能は、患者の日常生活に大きな利点を提供します。今後は、さらに多くの医療技術の発展を目指し、アカデミアと企業の連携が重要とされます。

キュアコードの代表取締役である土田史高氏も、特許取得を新たなスタートと捉えており、今後の発展を期待しています。AI技術を活用したシステムとして、医療現場での活用も視野に入れています。

研究の進捗と今後の展望


「CARB-LIFE」という食事画像認識機能を搭載したカーボカウントアプリを通じて、さらなる有効性と安全性の検証が行われます。臨床試験では、アプリ使用者と非使用者を比較し、効果を測ることが計画されています。現在も、研究参加者を募集しているとのことです。

このように、キュアコード株式会社の新しい試みは、1型糖尿病患者の生活を改善する可能性を秘めています。今後もこの技術の発展と普及が期待されるでしょう。


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会社情報

会社名
キュアコード株式会社
住所
富山県富山市総曲輪1-5-24リアライズ富山城址公園5F
電話番号
076-482-3808

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