映画『奇麗な、悪』が待望の公開決定
芥川賞作家であり、多くの注目を集める中村文則の短編小説『火』を原作にした映画『奇麗な、悪』が、2025年2月21日(金)から全国で公開されることが明らかになりました。テアトル新宿をはじめとした多くの映画館で上映される予定となっており、ファンの期待が高まっています。
新たな解釈で描かれる物語
本作は、2016年に公開された『火 hee』以来、2回目の映画化となります。『奇麗な、悪』では、主演の瀧内公美さんが見せる圧倒的な演技が話題になっています。ひとり芝居の形式を取り入れたこの映画は、彼女の卓越した演技力をフルに活かした作品に仕上がっています。また、約30年ぶりに劇映画の監督を務めるのは奥山和由さん。常識を覆す新たな演出が施されており、その結果どのような物語になるのか、観客から注目されています。
スタッフ陣も豪華
映画『奇麗な、悪』は、豊里泰宏をプロデューサーとして迎え、さらには加藤万里奈が音楽を担当。撮影監督には戸田義久が起用されており、各方面から期待される人材が集結しています。美術や編集、音響効果に至るまで、各セクションにおいて才能あるスタッフが揃っており、映画の完成度はかなり高いものになるでしょう。
原作者と主演のコメント
原作の中村文則氏は、「この映画は、どこか『前』を向いている印象がある」と述べ、瀧内公美さんが演じる主人公像についても新たな視点を持つことができたと語っています。「火」の主人公を救ったのかもしれないという言葉には、映画としての社会的な意義も含まれているとのこと。
主演の瀧内公美さんも自身の挑戦についてコメント。ひとり芝居の経験がない中、映画制作に挑むには、出演者としての新たな側面を見せる貴重な機会になると感じています。彼女の奮闘と独自の探求心が、映画にどのような影響を及ぼすのかも非常に楽しみな点です。
奥山監督の挑戦
監督を務める奥山和由さんも、ベルイマンに言及し、自身の想いを語りました。彼が目指したのは、際立った風変わりなコンセプトの作品であり、中村文則の美しい言葉と瀧内の演技を組み合わせることで完成されたと語っています。彼の映画人生の集大成にふさわしい、あり得ないほどの挑戦を実現することができたことに感謝をしています。
中村文則とは
中村文則氏は、1977年に愛知県で生まれ、2002年に短編小説『銃』でデビューを果たしました。その後、数々の賞を受賞し、国際的にも評価される存在となりました。特に代表作である『掏摸』が、英訳版としても名を馳せています。また、彼の作品はエッセイや対談集にまで及び、多岐にわたる活動を続けています。
書誌情報
『銃』(河出文庫)の中には本作の原作短編小説「火」が含まれており、今後の映画と共に、文庫としても手に取る価値があるでしょう。ぜひとも、この機会に中村文則の世界を堪能してみてください。
映画『奇麗な、悪』は、期待に満ちた作品として、日本映画史に新たな一ページを刻むことでしょう。公開の日を心待ちにしながら、ぜひその世界観に触れてみてください。