国内初の日本語訳『クラウド FinOps』の発行
クラウドサービスにおける支出管理の重要性が増す中、FinOps(Financial Operations)に関する日本語版の概説書『クラウド FinOps:協調的でリアルタイムなクラウド価値の意思決定(第2版)』が2025年3月19日に刊行される。この書籍は、海外での実績をもとにした内容で、FinOpsの考え方を日本の企業に広める一助となることが期待されている。
FinOpsとは
FinOpsは、パブリッククラウドへの支出を適正に管理し、企業内のエンジニアと非エンジニアが共同で意思決定を行うための新しいフレームワークである。特に、AWSやAzure、Google Cloudなど欧米のクラウドサービスへの投資が進む中で、この考え方は広がりを見せている。
主要な内容
本書は、J.R. StormentとMike Fullerによる原書を基に、アルファス株式会社の翻訳により完成されたもので、FinOps Foundationの第2版がリリースされたことを反映している。FinOps Foundationは、世界中の10,000社以上が参加する非営利団体で、23,000人を超える実践者コミュニティを有している。
日本におけるFinOpsの展開
日本では、FinOpsの導入がまだ初期段階であり、普及が遅れている。しかし、FinOps Foundation Japan Chapterの設立により、実際の導入事例やノウハウの共有が進んでいる。昨年11月には、この日本支部が設立され、様々な資料を日本語に翻訳し、コミュニティを築く活動が始まった。
翻訳に携わったメンバー
本書には、アルファス株式会社の新井俊悟(取締役)と福田遥(シニアアカウントエグゼクティブ)が翻訳に参加している。彼らはFinOpsの実践に豊富な経験を持ち、理解を深めるために翻訳プロジェクトに関わった。書かれている内容には、日本でのFinOps受容に関する示唆も含まれており、脚注やコラムを通して実践者にとって役立つ情報が提供されている。
書籍概要
この日本語版は、原書を忠実に翻訳したもので、全488ページにわたり、これからのクラウド運用に役立つ知見を与えることを目指している。刊行元のオライリー・ジャパンからは、4,950円(税込)で印刷版と電子版両方が販売される。
結論
アルファス株式会社はFinOpsにおける国内のリーダーとして、多くの資格を持つ専門家を擁し、クラウドコスト管理ツール「Ripple」を使って日本市場に貢献している。彼らはFinOpsの重要性を広めるべく、さらに積極的に活動していく意向を示している。日本におけるFinOpsの実践が広がることで、企業はこれまで以上に効率的かつ透明性のあるクラウド利用が可能になることだろう。