40〜60代エンジニアのキャリア不安とAI活用実態調査
株式会社モロが運営するシニアエンジニア特化のフリーランス求人サイト「レガシーフォース」が実施した調査結果は、40代から60代のITエンジニアたちのキャリアに抱く不安や新技術に対する意欲を浮き彫りにしました。調査対象は600名で、彼らが感じている職業としてのリアルな現状が分かります。
キャリア不安の根源
調査の結果、ベテランエンジニア達の最大の懸念は「技術力の劣化」であることが判明しました。この懸念は特に50代で顕著で、年収の低下に対する不安も増しているようです。調査では、約4割が「「バイブコーディング」」と呼ばれるAI技術を利用した経験があると答えていますが、その実際の業務への活用は今後の課題と言えるでしょう。
年代別に見ると、50代における年収低下の懸念は71名と特に高いことがわかりました。これは、彼らが抱える役職定年や昇給の鈍化といったキャリアの特性からくるものと考えられます。逆に、60代では「特に不安はない」との回答が増え、二極化の傾向も見える結果となりました。年代が若いほどAI技術による影響を特に感じているようです。
バイブコーディングの潜在力
40〜60代のエンジニアのうち、約37.5%がAIを活用したコーディング支援ツール「バイブコーディング」の利用経験を持つことが確認されました。しかし、積極的に業務で運用しているのは92名(15.3%)にとどまり、多くのエンジニアが「まず試してみる」姿勢を持ちつつも、実務における導入には至っていないことが伺えます。
50代や60代のエンジニア達は興味を持ちながらも、実際の利用にはためらいがある様子が見受けられます。これらのデータは、IT環境の整備や導入支援が進めば、さらなる普及が期待できることを示唆しています。
AI技術の習得意欲
AIの新技術習得への意欲について尋ねたところ、「業務で必要とされれば学ぶ」が266人で最多を示しました。特に50代のエンジニアにおいては、実務に必要と感じた場合には学ぼうとする姿勢が強いことがわかります。一方、新しいプログラミング言語に対する積極的な学びたいという意欲は少なく、「学ぶ意欲はない」と答えた層も多かったため、移行コストや既存のシステムとの整合性への懸念が影響していると考えられます。
技術の進化が早い中で、どれだけ効率よく学ぶ環境を整えていけるかが求められています。調査結果からは、年齢に応じた学ぶ意欲の違いが感じ取れ、特にAIに関する学びは進んでいく兆しが見えます。
AIツールの実際の利用状況
調査では、日常的に使用しているAIツールがChatGPTであり、全体の37%が使用経験を持つことが判明しました。これに対して、コード支援特化型のツールの利用者は限定的であり、業務での継続的な利用に至っていない層が大きいことが確認されました。おそらく、AI技術を実運用することで感じる活用方法や有効性が問われ続けることになるでしょう。
まとめ
今回の調査を通じて、ベテランエンジニアたちが抱えるキャリア不安とAI技術への関心が見えてきました。キャリアに対する不安は根深く、特に「技術力の劣化」と「年収の低下」に対する不安が強いことが分かりましたが、AI技術への関心も高く、新しい知識の習得が求められる時代に生きています。企業としては、彼らの経験と技能を生かし、より効果的なサポートを提供することが、今後の大きな課題となるでしょう。