インドネシアの低価格FTTHサービス拡大の背景
最近、NTT東日本がインドネシアにおいて固定ブロードバンドサービスの普及を目指す新たな取り組みをスタートしました。具体的には、NTTの子会社、NTTイーアジアを通じて、インドネシアの通信インフラ企業PT Jaringan Ekosistem Indonesia、通称WEAVEへの戦略的な出資を行うというものです。この出資は、インドネシアにおけるインターネットの普及率の向上を目的としており、特にデジタルデバイドの解消を目指しています。
1. インドネシアの通信状況
インドネシアは現在、固定ブロードバンドの世帯普及率が約15%という低水準に留まっており、これはASEAN諸国の中でも特に低い数字です。この状況は、特に低中所得層向けのインターネットのアクセスが不足しているため、国全体のデジタルデバイドを深刻化させています。また、日本でのFTTH利用料金は約4,000円に対し、WEAVEが提供を始めたFTTHサービスは約1,000円で、誰でも利用できる価格として強い関心を呼んでいます。
2. NTTの出資と今後の展望
今回の出資により、NTT東日本は日本でのFTTHの構築や運用、保守に関する知見を活かし、WEAVEの設備構築と展開を加速します。2024年からは技術支援を開始し、インドネシアでのブロードバンド普及を一層進めていく計画です。
出資割合はNTTイーアジアの子会社となるNTT e-Asia Pte. Ltd. を通じて行われ、-JIAが50.85%、NTT e-Asiaが49.0%、LMMが0.15%という形で出資が行われます。
3. 関係者のコメント
SURGE社のシニアアドバイザーであるアルウィン・ラシッド氏は、「NTT東日本とのパートナーシップはインドネシアにとって歴史的かつ革新的な一歩であり、デジタルデバイドを解消するための理想的な基盤を形成する。」と述べています。
また、NTT東日本の澁谷直樹社長は、「この戦略的投資は、デジタルインフラの構築にとどまらず、人材育成や地域経済の活性化にも貢献する。」と期待を寄せています。
4. 今後の展開
NTT東日本は、今後もWEAVEとの強固な連携を築きながら、インドネシアにおけるインターネットの普及率の向上とデジタルデバイドの解消に向けた活動を継続する計画です。この取り組みは、インドネシアの人々にとって手頃なインターネットアクセスを実現する大きな一歩となることでしょう。インドネシア国民へのデジタルアクセスの提供を通じて、より多くの人々がデジタル社会に参加できる環境が整うことが期待されます。
このような取り組みが実現すれば、インドネシア全体の経済成長にも寄与し、国際的なデジタル経済においても重要な地位を占めることとなるでしょう。