NVIDIA、ヒューマノイドロボティクスの革新を加速する新サービス発表

NVIDIAによるヒューマノイドロボティクスの加速

2024年7月29日、デンバーで開催されたSIGGRAPHにおいて、NVIDIAが次世代のヒューマノイドロボティクスの発展に向けた新たな取り組みを発表しました。これにより、世界のロボットメーカーやAI開発者、ソフトウェア企業に対し、ヒューマノイドロボットの開発、トレーニング、構築のための先進的なサービスとプラットフォームを提供します。

新しいマイクロサービスとプラットフォームの導入

NVIDIAは、ロボットのシミュレーションと学習を支える新しいNVIDIA NIMマイクロサービスを提供します。これにより、開発者は事前に構築されたコンテナを利用し、数週間かかる展開プロセスを数分で済ませることが可能になります。また、NVIDIA OSMOオーケストレーションサービスも導入され、複雑なロボット開発のワークフローを簡素化し、数か月かかる開発サイクルを1週間未満に短縮することができるとしています。

NVIDIAのCCRであるジェンスン・フアンは、「AIの次の波はロボティクスであり、最もエキサイティングな開発の一つがヒューマノイドロボットだ」と語り、NVIDIAが提供するロボティクススタックの進化について強調しました。

AIとシミュレーションを利用したデータキャプチャの進展

ヒューマノイドロボットの基盤モデルを効果的にトレーニングするには、膨大なデータが必要です。NVIDIAの新技術により、開発者は少人数のデモンストレーションデータから、合成モーションや知覚データを生成することが可能になります。具体的には、Apple Vision Proを用いて遠隔操作のデモを捕獲し、NVIDIA Isaac Simでシミュレーションすることでデータが生成されます。

これは、より効率的にロボットモデルのトレーニングが行えることを可能にし、開発者の時間とコストを大幅に削減します。特に、プロジェクトGR00Tを通じて提供されるヒューマノイド基盤モデルは、実際のデータと合成データの両方を使用することで、よりリアルな学習を実現します。

パートナー企業の参加

NVIDIAは、ヒューマノイドロボティクスの進化に向けた早期アクセスプログラムを開始し、Boston DynamicsやByteDance Research、Fourierなど複数の企業が参加しています。Boston Dynamicsの最高技術責任者であるアーロン・ソンダース氏は、NVIDIAとの密接な協力を通じて、ロボティクスの可能性を広げる成果を嬉しく思うと述べています。