2025年3月19日、愛媛県今治市が重要な災害協定を結びました。これは、和幸船舶株式会社、株式会社SIM-SHIP、一般社団法人内航ミライ研究会の三者と連携し、災害時の迅速な電力供給と物資輸送を目的としたものです。
この協定により、地震や風水害などで停電が発生した際、和幸船舶が所有する内航船「SIM-SHIP1mk2『ちゅらさん』」に搭載されるコンテナ型バッテリーが活用されることとなります。
締結式は今治市役所で行われ、和幸船舶の安井和弥社長、SIM-SHIPの浦山秀大社長、内航ミライ研究会の曽我部公太理事、今治市長の徳永繁樹氏が出席し、協定書への署名が行われました。また、この機会に協力体制を確認し、今後の連携を深める重要な一歩を踏み出したのです。
「ちゅらさん」は昨年、今治市内の造船所で建造され、電動化・自動化に対応した省エネルギー船です。この船は、環境テーマに配慮した貨物輸送を実現しています。
災害時には、今治市からの要請に対応し、「ちゅらさん」が今治港に着岸します。その後、バッテリーをトラックに積み替え、避難所などの必要な場所に輸送する流れが確立されているのです。このコンテナ型バッテリーは、携帯電話の充電が約1万台分可能で、停電時には非常用電源として頼りにされます。
さらにこの協定では、災害によって陸上交通が遮断された場合にも、市の要請を受けて支援物資を海上輸送することが合意されており、孤立地域を生じさせず、安全で災害に強い地域を創り上げる目標が掲げられています。
この新たな取組は、今治市の地域防災力向上に大きく寄与することが期待されています。関係各社が連携し、災害時における迅速な対応を実現することで、地域住民の安全確保と生活維持に寄与するでしょう。今後も地域の特性を活かした協力体制が築かれていくことに期待が集まっています。