新しいガバナンス社会の構築に向けて
2025年に大阪で開催される関西万博に向け、いのち会議は「いのち宣言」とそれに基づく「アクションプラン集」を発表しました。このプランの中心には、地域社会が直面する課題に対し、ソーシャルビジネスや公共政策を通じて協力し合い、未来をのぞんでいくことが据えられています。今回は、この取り組みの一環として、株式会社コンティニュウム・ソーシャルが行っている「CyberTrophy」プロジェクトについて詳しくご紹介します。
データがもたらす新しい価値
現代は日常のあらゆる行動がデータとなり、その集積が価値を生む時代です。買い物や地域活動などのデータが集まり、需要の予測や地域の活性化につながります。このようなデータの価値は、利用者が増えるほどさらに増大し、特にプラットフォーム企業の収益源となっています。しかし、従来の株式会社制度は、労働や資本の投入に基づく価値配分の仕組みであったため、データによる価値の分配には対応できていません。問題は、データを創出している個人にその価値が還元されず、株主に集中してしまっている点です。
プラス社会への貢献が評価されない現状も大きな課題です。特に、ボランティア活動や清掃活動などの社会への貢献が無視されがちであるため、これらの活動をどう評価し、価値を還元するかが重要になります。
「CyberTrophy」プロジェクトの概要
この課題解決の方法として、株式会社コンティニュウム・ソーシャルは大阪大学やせんりプラットフォームと連携し、千里地域でのテストケースを開始しました。「CyberTrophy」は、地域の商業施設や公共空間に設置されたバーチャルな「トロフィー」を通じて、人々の行動データから生まれる価値をトークン化し、可視化する取り組みです。この仕組みを通じて、地域の活動を通じた価値の循環を目指しています。
このプロジェクトは、従来の中央集権的なプラットフォームとは異なり、地域コミュニティ自らが評価と分配のガバナンスを担える点が特徴です。地域の特性を考慮しつつ、技術、経済、制度の3つの観点から検証を進め、地域に適したシステムを構築していきます。具体的には、既存のブロックチェーン技術を使い、地域商店街や金融機関との連携を重視し、地元経済との調和を図る方針です。
持続可能なエコシステムの形成
コンティニュウム・ソーシャルは、商業施設や公共施設での試行を行いながら、活動に関する価値創出の過程を検証します。利用者の参加を持続させるための動機付け、データの信頼性確保、価値評価の客観性の担保といった課題に対して、適宜対応策を講じていきます。
成功指標としては、月間アクティブユーザー数や地域経済への影響、創出された価値の量などを設定し、定期的に評価を行い、改善を進めます。目標は、地域コミュニティ自らがシステムのオーナーシップを持ち、その支援をするサービス提供者が現れるエコシステムを形成することです。各地域はこの基本モデルを自らの状況に合わせて適応させ、新たな価値を生成するためのネットワークを構築していくことが期待されています。
まとめ
いのち会議は、コンティニュウム・ソーシャルと協働し、創出されたデータの価値を地域の人々で分かち合える仕組みを構築していく決意を表明しています。そして、地域社会が密接に連携し合うことで、持続可能な社会の実現を目指していくのです。データが生み出す新しい価値を共有し、みんなのための社会を共に作り上げていくためのアクションに、皆さんもぜひ関心を持って参加してみてはいかがでしょうか。