今年の春、株式会社ジェイックが実施した調査によると、2026年卒業予定の大学生の約8割がインターンシップに参加し、その中でも多くが複数社に参加していることが判明しました。具体的には、回答者158名のうち、56%が4社以上に参加したと回答。その実態を探るべく、今回は「企業の印象が変化したインターンシップの特徴」について詳細に分析しました。
まず、インターンシップを通じて企業についての考えが変わった具体的な事例を見ていきましょう。調査結果によると、インターンシップに参加した結果、企業の印象が悪化したと感じた学生は36.1%で、その中でも最も多かった理由が「会社の文化や雰囲気が合わなかった」というもので、56.8%がこの感想を述べています。これに続いて、多くの学生が「働いている社員を魅力的に感じなかった」(40.9%)、さらに「企業情報が分かりにくかった」(22.7%)といった意見も寄せています。特に、オープンな仕事環境や社員同士のやり取りが重要視されていることが浮き彫りになりました。
逆に、印象が良化したインターンシップについては、参加者からは多くのポジティブな声が上がっています。「企業の業務に近い実務経験をしたことが良かった」や「社員同士の良好なコミュニケーションから会社の雰囲気を感じ取れた」という意見が多いことが特徴です。特に、実際に企業の現場を見られる機会や、社員との親しいコミュニケーションが印象を左右する要因であったことは強調しておきたいところです。
この調査から見えるもう一つのポイントは、インターンシップの待遇に対する学生の評価です。多くは「昼食が豪華だった」「有給のインターンシップだった」といった待遇面に高い評価を挙げています。これは今後、企業がインターンシップを企画する際の大きな参考になるでしょう。
株式会社ジェイックのFuture Finder®メディア事業部長である佐藤裕康氏は、「インターンシップは企業にとって学生の志望度を高める大きなチャンス」としつつ、企業が自らの文化や社風を印象付ける重要性を伝えています。特に学生が企業を選ぶ際には、インターンシップを通じて企業の実情を理解し、自分との相性を見極める場として活用されるべきです。
今後、企業は学生が求める実践的な体験や、自社の魅力を効果的に伝えるために、インターンシップの質を向上させる必要があります。特に組織全体で学生を迎え入れる体制を整え、全社員が気持ちの良い対応を心掛けることで、より良い学生の確保につながると期待されます。これからの新卒採用においては、インターンシップがその成功の鍵となることは間違いないでしょう。