2025年12月13日から2026年3月8日まで、東京都新宿区のNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)にて、アーティスト三上晴子の企画展「知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション」が開催されます。この展覧会は、彼女が1990年代以降に発表した複数のインタラクティブ・インスタレーションを展示し、没後10年という節目に彼女の活動を振り返る重要な機会となります。
三上晴子は、アートとメディア・テクノロジーの関係を深く探求し、特に人間の感覚とその知覚をテーマにした作品を数多く発表してきました。彼女の作品は、見る、聴く、触れるといった単純な感覚を超えて、鑑賞者自身が身体で作品と対話することを促します。展覧会では、彼女の代表作が一堂に会し、観客にアートとの新しいインタラクションを提供します。
本展示では、三上の大型インスタレーション3点が展示される予定で、この機会に国内外でのその類を見ない集結が実現します。特に、《存在、皮膜、分断された身体》(1997年製作)は、ICCのコレクションとして初めて再展示される重要な作品です。
さらに、彼女の作品が構築した「知覚の美術館」概念についても、より深く理解を進める内容が含まれており、訪問者は自らの知覚を再確認し、多角的にアートを楽しむことができるでしょう。展覧会の期間中には、三上と親交のあったアーティストや研究者を招いたトークイベントも合同で行われ、アート鑑賞の深化を促します。
三上晴子は、1984年より、情報社会と身体をテーマにした様々なインスタレーションを展開。その後、1992年から2000年までニューヨークを拠点にし、海外でも多くの作品を発表しました。1995年以降は知覚的インターフェイスに基づくインタラクティブな作品に着手し、特に視線入力や聴覚、触覚を利用した作品は多くの人々に衝撃を与えました。
彼女の作品は、特に鑑賞者が能動的に体験することを重視しており、これらの作品は展示再現の難しさを有しながらも、近年再評価される機会が増えてきています。この展覧会を通して、彼女のアートが持つメッセージや、彼女自身が住んでいた情報化社会がどのように作品に影響を与えているかについても探ることができるでしょう。
ICCは、展覧会に向けたリサーチも進めており、展示作品のアップデートや修復、鑑賞者の体験データの保管をテーマにした新しいアプローチを模索しています。これにより、三上作品の未来への可能性も議論され、多くの人々がその魅力に触れられる場を作り出すことを目指しています。
最新情報はICの公式ウェブサイトで随時告知されますので、訪問予定の方はぜひチェックしてください。また、入場料金や休館日についての詳細は、公式サイトにて確認できます。
この機会に、三上晴子が示した知覚の世界をぜひ体験してみてください。