Pacific Bays Capital、ワイオミング州の油田資産を取得
2025年6月、Pacific Bays Capital(以下、本ファンド)は、米国ワイオミング州内の成熟油田資産の取得を完了したことを発表しました。この戦略的な投資は、テキサス州に本社を置くVCPと共同で行われ、総額965万ドル(約13.8億円)で実施されました。取得対象には41の油井が含まれ、安定した生産実績と低い減衰率が特徴です。
安定した資産運用へ
本ファンドは、主に日本の機関投資家を対象に設立された「Pacific Bays Capital Japan Petroleum 1号任意組合」を通じてこの資産を取得。将来的にはこれらを活用し、長期にわたって魅力的なキャッシュフローを生むことが期待されています。現場の運用は、独立系オペレーターであるVCPが行います。
次世代型の運用手法
本ファンドは、今後の資産管理の透明性向上や効率性を図るべく、デジタル資産(RWA)を活用した運用手法の導入を検討しています。この構想は、ゼネラルパートナーとして関与する武藤浩司氏や、O-DE Capital Partnersの代表であるGeoff Masaaki Ayres氏の推進によって実現される予定です。O-DE Capitalは、技術的な枠組みやグローバルな制度設計を担う重要なパートナーとして位置づけられています。
戦略的パートナーシップ
Pacific Bays Capitalのゼネラルパートナーであるジェイソン・ナイは、「この油田資産の取得は当社の米国エネルギー投資戦略において、重要なマイルストーンです。VCPとの連携により、安定収益の獲得と投資家に新たな選択肢を提供できると確信しています」とコメントしています。
一方、VCPの創業者トビー・ダーデンも、「40年以上にわたり現場で価値を創出してきた我々にとって、Pacific Bays Capitalとのパートナーシップはさらなる最適化をもたらすものです」と述べています。
テクノロジーとの融合
さらに、武藤浩司氏は「本ファンドは革新と安定を両立させるプロジェクトです。オイル・ガスのPDP(Proved Developed Producing)資産は、堅実なキャッシュフローを生み出すレガシー産業であり、デジタル資産との融合が進めば新たな金融インフラに発展する可能性があります」とも附け加えています。
市場動向
今回の取得は、WTI原油価格の堅調さと成熟油田資産の経済的な強靭性を考慮し、非常に戦略的なタイミングで行われました。南方に広がる国際的な安全保障リスクが、原油価格のさらなる上昇を促す可能性があり、この資産取得はマージンの拡大及び長期的価値向上に寄与する機会と見なされています。
特に、エネルギー市場が厳しい環境にある中で、安定した生産が求められる現状において、Pacific Bays Capitalによるこの取得は注目に値します。
なお、本文に記載の将来見通しは2025年6月時点の市場データに基づくもので、状況によって変更される可能性があります。
企業概要
Pacific Bays Capitalは、日米の経済安全保障に関連する領域において、革新性の高いプロジェクトへの資金供給を行う投資ファンドです。今回の取得は安定収益を求めるニーズに応えるものであり、引き続き実物資産とテクノロジーの融合を推進していく考えです。その他、
VCP Operating, LLCはミシガン盆地での開発実績があり、
O-DE CapitalはディープテックやWeb3領域に幅広く投資するベンチャービルダーです。