展覧会「川瀬巴水旅と郷愁の風景」
日本の木版画家、川瀬巴水(1883-1957)は、大正から昭和にかけて活躍し、日本の原風景を詩情豊かに描写した作品で知られています。この秋、金沢市の石川県立美術館にて、彼の魅力をたっぷりと楽しむことができる展覧会「川瀬巴水旅と郷愁の風景」が開催されます。
巴水の歩み
川瀬巴水は、28歳で日本画家の師・鏑木清方に入門し、木版画家としてのキャリアをスタートさせました。彼は自らの旅を通じて、日本の風景を描くことに心血を注ぎました。特に、関東大震災後の旅では、再生の象徴として新たな表現を生み出し、多くの作品を残します。また、彼の作品は国内外で高く評価され、特にその叙情的な表現は見る者を魅了します。
展覧会の見どころ
この展覧会では、早い時期の作品から晩年の代表作まで、約180点が一堂に展示されます。初期の作品には、巴水のふるさと東京や、彼が旅をした記録が含まれています。「旅みやげ」シリーズや「東京十二題」など、珍しい連作も鑑賞できる貴重な機会です。
第1章: ふるさとと旅
巴水のスタート地点である東京から始まり、彼の初期作品やその背景に触れることができます。特に関東大震災までの作品は、彼の成長を示す重要な時期です。
第2章: 「旅情詩人」の名声とスランプ
震災後の巴水は、家を失い写生の成果も焼失。しかし再び旅に出ることで、新しい視点を獲得し、写実的かつ華やかな表現方法を確立しました。代表作の一つ、《芝増上寺》や《馬込の月》など、多くの名作がこの時期に生まれます。
第3章: 新境地の開拓
恋愛や人生の葛藤を抱えつつ異国の風景に触れた巴水は、その影響を受けながら新たな色彩表現を探求しました。彼の作品は特にアメリカの進駐軍にも評価され、国際的な注目を集めることになります。
展覧会情報
- - 会期: 2023年9月2日(土)~10月1日(日)
- - 会場: 石川県立美術館(石川県金沢市出羽町2-1)
- - 開館時間: 9時30分~18時00分(最終入場は17時30分まで)
チケット料金は、一般1,200円、高校・大学生900円、小・中学生600円です。特に、前売券は6月1日より販売が開始されます。
この展覧会は、川瀬巴水の魅力を存分に味わえる貴重な機会であり、ぜひお見逃しなく。公式サイトで詳細情報を確認できるので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。
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