横浜市が全員給食実施に向けた実証事業をスタート
横浜市では、令和8年度より中学校で全員給食が導入される予定です。市では、給食の献立作成業務の効率化を図るため、オープンなプラットフォーム「YOKOHAMA Hack!」を利用して民間企業からソリューションを募集し、選ばれた1社と協力することを発表しました。
背景と課題
学校給食の献立作成は、栄養基準やコスト、食材の流通状況などといった様々な条件を考慮しなければならないため、栄養士にとっては非常に複雑な作業となっています。令和8年度以降には、全員給食の導入により1日あたりの給食提供数が約8万食に増加し、1日3献立(アレルギー対応食を含めると5献立)を用意する必要があります。このような状況の中、献立作成のプロセスが進化することが求められています。
特に、
1. 献立を作成する際に考慮すべき条件が増えることで作業が複雑化していること、
2. 確認工程において修正が生じるとその影響が連鎖的に広がり、時間がかかるという現実が挙げられます。
実証事業の概要
これらの課題解決の一環として、実証事業が2023年12月23日から始まります。協定を結んだのは株式会社ウッドペッカーで、同社は顧客ニーズに応じたカスタムソリューションを提供する企業です。実施内容としては、数理最適化による献立の自動生成に加え、AIを用いた改善提案を行い、栄養士の視点を取り入れた利用しやすいシステムを目指します。
具体的には、1. 献立自動生成の実現可能性の評価、
2. 確認と修正のサポート機能の実用性評価、
3. 業務効率の向上とその効果を検証することが含まれます。
未来に向けた展望
この実証事業を通じて結果として得られたデータは、今後のシステム導入に向けた基礎となります。また、栄養士の意見や運用上の課題を収集し、より良い給食サービスの提供に繋げていく予定です。
YOKOHAMA Hack! の意義
「YOKOHAMA Hack!」は、様々なデジタル技術を持つ民間企業が持つニーズを行政と結びつけることを目的としたオープンなプラットフォームです。給食業務の効率化だけでなく、他の行政サービスや業務にも応用する可能性があります。
お問合せ先
このプロジェクトや中学校給食の献立作成に関する詳細は、横浜市教育委員会事務局までお問い合わせください。
(1) 中学校給食に関する問い合わせ: 三石 晃司 (Tel: 045-671-4591)
(2) YOKOHAMA Hack! に関する問い合わせ: 洲崎 正晴 (Tel: 045-671-4761)
この取り組みによって、横浜市の学校給食が新たな時代を迎え、質の高い食育の実現が期待されています。