高齢者の防災意識と備蓄実態
最近、シニア専門のリサーチプラットフォーム「コスモラボ」が発表した防災に関する調査結果が注目を集めています。この調査は、シニア層の防災意識や備蓄状況、災害時の情報源などを多角的に分析したものです。調査結果によると、シニア層は非常に高い防災意識を持っていますが、実際の備蓄状況は「最低限」にとどまっていることがわかりました。
調査の概要
調査は、全国のシニア層を対象にネットリサーチ方式で行われ、481名の有効回答を得ました。シニア層が災害への備えをどのように考えているのか、さらにその行動がどうなっているのかを明らかにしようとする目的で行われました。
高い防災意識と低い備蓄状況
調査によると、79%のシニアが普段から災害を意識していると回答しています。「非常に意識している」と「やや意識している」を合わせると、約8割が防災について意識しているという結果になっています。しかし、その一方で防災用品の備蓄状況は厳しい現実を示しています。「最小限は備えている」層が56.5%に達しましたが、「しっかり備えている」と回答したのはわずか5.6%にとどまりました。これにより、高い意識とは裏腹に、実際には十分な備えがされていないことが明らかになりました。
災害時の情報入手先
災害時、シニア層が頼りにしている情報源についても調査が行われました。最も多かった回答は「テレビ」で、55.6%がテレビを情報源として挙げています。その後に「ラジオ」が37.9%、さらに「役所や自治体の情報」が32.0%と続きます。これらの結果から、停電や通信障害が生じる可能性がある災害時でも、伝統的なメディアが重要な情報源として機能していることが分かります。
これからの課題
今回の調査結果から明らかになった重要な課題は、シニア層の防災意識を、具体的な行動にどう結びつけるかです。この高い意識を行動に変えるためのプログラムや啓蒙活動の必要性が強調されます。
また、「飲料水」「食料」「照明」といった基本的な資源が、災害時に最も必要とされるアイテムであることも指摘されています。特に、飲料水は45.6%のシニアが不足して困ったと回答しており、命の維持に欠かせない資源であることが改めて認識されるべきです。
まとめ
この調査結果を受けて、私たち一人一人が今一度、防災対策を見直し、必要な備蓄を行うことの重要性を考えさせられます。シニア層の防災意識は高いだけに、その意識を具体的な行動に結びつけるための支援が求められています。これからも、さまざまな情報やリソースを活用し、自身の防災対策を強化していくことが大切です。