高橋幸宏の音楽遍歴が詰まったポップ・ミュージック・ガイドの新刊

音楽の喜びを語る高橋幸宏の新刊

2025年8月6日、世界的音楽家・高橋幸宏がその音楽遍歴を語るポップ・ミュージック・ガイド『僕の私的音楽史』が河出文庫より刊行されます。昨年、悲しくも他界した高橋氏の生涯を振り返りながら、音楽への情熱や魅力を再発見する貴重な一冊として、多くの音楽ファンから期待が寄せられています。

高橋幸宏の音楽家としての軌跡

高橋幸宏は、1952年に東京で生まれ、サディスティック・ミカ・バンドやイエロー・マジック・オーケストラ（YMO）などを経て、長い音楽人生を歩んできました。彼は音楽のみならず、ファッションデザイナーとしても活躍し、多岐に渡る才能を発揮しました。新刊『僕の私的音楽史』では、彼が愛する音楽や出会ったアーティストとのエピソードをたっぷりと収めています。

本書の特長

本書は、2012年に発表された『心に訊く音楽、心に効く音楽私的名曲ガイドブック』を大幅に増補して文庫化したものです。新たに書き下ろしの文章や解説も追加され、新たな視点から高橋自身の音楽歴を振り返ります。特に、ビートルズや映画音楽への影響についての記述は、幅広い世代の読者に共感を呼ぶことでしょう。

音楽と感情の深いつながり

高橋は「音楽を作ることは楽しい」と語り、その楽しさを共有することで生まれる特別な体験に触れています。彼が述べるように、作品と聴き手の間には深い感情的なつながりが存在します。本書を通じて、音楽の持つ力と美しさを再認識できるでしょう。

この本には、YMOの制作秘話やソロアルバム『サラヴァ！』に影響を与えたアーティストたち、さらには「ライディーン」の誕生の経緯など、音楽家高橋幸宏の幅広い視点が含まれています。彼自らの言葉を通じて、音楽が如何に人生に色を添え、どのように人々とつながるのかを探っていきます。

友情と音楽の交わり

本書の構成者である音楽評論家・天辰保文氏の寄稿も大きな魅力です。天辰氏は高橋の友人であり、彼の音楽活動を間近で見つめてきた人物。彼の視点から描かれる高橋の音楽人生は、新たな発見をもたらすでしょう。また、同世代の音楽家鈴木慶一による解説も、読者の理解を深めます。

これらの出会いから、音楽の方向性や個々の感性に対する新たな視野が開かれていく様子を目撃することでしょう。

高橋幸宏の足跡を辿る

2023年に他界した高橋ですが、その音楽は決して消えません。彼の貴重な作品や過去のライブ映像は、今でも多くのファンに影響を与え続けています。本書は、音楽の本質を再考し、同時に彼の足跡を辿るための重要な資料ともなるでしょう。

ぜひ、『僕の私的音楽史』を手に取り、高橋幸宏の音楽とその感動をもう一度感じてみてください。音楽の持つ力は、常に私たちを新たな旅へと誘ってくれます。