LGBTQ+当事者の住まい探しにおける課題
近年、LGBTQ+への理解が深まる中でも、住まいを選ぶ際の困難さは依然として残っています。NPO法人カラフルチェンジラボが行った調査によると、多くのLGBTQ+当事者が直面する課題が浮き彫りになりました。
調査背景
この調査は、ダイバーシティ経営に力を入れている株式会社ペンシルと協力して実施されました。この報告書は、LGBTQ+当事者の住まいの選択に関する実態を幅広く把握することを目的としています。約四割の回答者が、住宅探しにおいてネガティブな経験を持つことが、重要なデータとして浮上しています。
調査結果の概要
調査の回答者の中で、「ゲイ」が最も多く、「トランスジェンダー」、「バイセクシュアル」が続きます。一方で「レズビアン」は最も少なく分布しています。この回答者の中で、「パートナーあり」という回答の割合がレズビアンにおいて高いことも特徴的です。
住宅探しでの課題
調査では、次の3つの困難が共通して挙げられました。
1.
保証人の確保の難しさ
2.
性のあり方による物件選択肢の制限
3.
不動産業者の不適切な対応
特にレズビアンでは物件選択肢の減少を強く感じており、トランスジェンダーは不動産業者の対応に不満を持つ割合が高いことが確認されました。
不安要素の存在
住宅探しにおいて、特に「将来の住まい」や「不動産契約の手続き」、「不動産業者に対する不安」を抱える人が多いことが明らかになりました。これはレズビアンとトランスジェンダーの間で特に強い傾向が見られます。
望ましい接客スタイル
当事者が求める不動産業者の接客スタイルについては、必要以上に個人のセクシュアリティを掘り下げないことが好まれていますが、関係の深まった状態では、より理解を示し積極的な提案を求める声もあります。顧客との信頼関係を築くことが重要です。
企業としてのサポート
調査結果から、以下の3つが企業側で実現すべきポイントとして挙げられました。
1.
LGBTQ+への差別禁止の明文化
2.
定期的なLGBTQ+研修の実施
3.
LGBTQ+のサポート体制の確立
これらの取組は、当事者にとって非常に重要で、企業が本気で向き合う姿勢が求められています。
最後に
今回の調査結果は、LGBTQ+当事者の住宅探しにおける現実を知る貴重な情報です。今後、少しずつでもこの問題解決に向けた一歩を踏み出すことが、全ての人にとって安心して住まいを選べる社会を実現するための鍵となります。調査結果を通じて、多様な人々が共生できる社会の実現を目指すことが、我々の目指すべき方向です。
本調査のフリーダウンロード版は
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