調査概要
今回は上場企業に勤務し、新リース会計基準の対応を担当する経理・財務担当者111名を対象にした調査結果についてお伝えします。調査は2026年6月18日から19日までの期間に実施されました。
対応状況
調査結果によると、77.8%の経理・財務担当者が新リース会計基準への対応が完全ではなく、特に「システム導入・テスト中」との答えが60.4%を占めました。対応が完了したのはわずか25.2%です。新基準の強制適用まで残り1年余りということもあり、対応の遅れが際立っています。
隠れリースの識別
隠れリースに関する認識も興味深い結果を示しています。経理・財務部門は主に「サーバー・IT機器(51.4%)」、「駐車場・社宅(50.5%)」、「車両(45.0%)」を隠れリースとして特定しています。これは、実施中のリースの管理に新たな視点をもたらすものです。
財務指標への影響
さらに、財務指標への影響を考慮する必要があります。約9割の担当者が「使用権資産・リース負債のオンバランス計上」に関連して、影響を「有意」以上と認識しています。特に、重大な影響があるとする回答が25.2%、1割程度の影響があるとする回答が60.4%でした。
移行方法について
新基準の適用初年度の移行方法に関しては、半数近くが「過去に遡らず、期首の負債残高と同額で資産を計上する」(49.5%)を選択すると回答しています。これにより、過去の財務諸表を修正する必要がないシンプルなプロセスが支持されています。
管理手法の変化
旧来のExcelから専用システムへの移行が56.8%に達しているのも注目です。これにより、情報の一元管理が進む見込みです。6791%の担当者が管理ソフトに期待する機能として「仕訳データの自動作成・会計システム連携」を挙げています。
リース会計方針の統一
全社共通のリース会計方針については、66.7%が策定中で、文書化が進んでいない現状が浮き彫りに。整備完了は27.0%と、企業全体での統一が進んでいない状況がうかがえます。
契約書の洗い出し
契約書の内容確認は、55.9%がExcelに手入力する方法を取っていますが、41.4%はAI-OCRなどのツールを利用していることも確認されました。AI-OCRを用いた評価では、71.8%の利用者がその効果を「期待以上」または「おおむね有効」と認識しています。
予期せぬメリット
最後に、ここで見えてきたのは、41.4%が「部門間連携の強化」に繋がったと感じていることです。これにより、リース会計基準への対応が、単なる業務の見直しに留まらず、組織の横断的な協力を促進する機会となっていることも示しています。これらの結果から、経理・財務部門は業務変革の契機として、新リース会計基準の対応を捉える必要があると考えられます。基準への適切な対応が求められる中、企業は業務の最適化に繋がるチャンスを逃さないか見極めるべきです。