AI翻訳時代でも高校生が語る語学学習の意義
AI翻訳や自動通訳技術が進化する現代において、高校生たちが「語学を学ぶ意味」についてどのように考えているのか、興味深い調査結果が得られました。今回は、その調査結果を詳しく見ていきましょう。
調査の背景
この調査は、留学経験のある高校生459名を対象に、AI時代における語学の学びの重要性について考察することを目的として実施されました。調査主体は、学校法人KTC学園であり、2025年に行われたWebアンケートによるものです。
調査結果の概要
調査の結果、約9割の回答者が翻訳アプリや自動通訳ツールを活用した経験を持つことがわかりました。この結果から、AI翻訳技術が若者にとって身近な存在であることが明らかになりました。
語学学習に対する意識
興味深いことに、AI翻訳が普及する現代においても、「語学を学ぶ意味がある」と感じている高校生は約80〜90%に達しました。このことから、AIによる翻訳サービスがありながらも、自らの言語を学ぶことが依然として重要視されている様子が伺えます。
言葉と心の通じることの違い
さらに、「言葉が通じること」と「心が通じること」は異なると考えるかという質問には、9割以上の高校生が「違うと思う」と回答しました。「翻訳アプリがあれば済む」とは限らないという認識が、多くの若者には根強く存在していることが示されています。
自由記述からの声
この調査では自由記述の欄も設けられており、学生たちの率直な意見が寄せられました。「翻訳よりも、自分で話した方が気持ちが伝わった」や「言葉以上のコミュニケーションがある」といった意見が多く、AI翻訳では代替できない「心の繋がり」を重視する姿勢が強く表れていました。
結論
AI翻訳技術が進化しても、高校生たちは自らの言語を学ぶことに意義を感じ続けています。言葉の壁を越える道具としてのAIは便利ですが、心の共感や思いを伝えるための努力は、依然として彼らにとって重要な要素であることがわかりました。これからの世代が、言語を学ぶことへの情熱を持ち続け、さまざまな文化や人々との交流を深めていくことを期待したいと思います。
調査団体のアプローチ
この調査を実施した学校法人KTC学園は、2002年に設立され、広域通信制および単位制高校「屋久島おおぞら高等学校」の運営を行っています。また、通信制高校のサポート校である「おおぞら高等学院」も運営しており、教育プログラム「なりたい大人になるための学校®」は2024年度にグッドデザイン賞を受賞しました。
公式サイトでは、今回の調査についての詳細や留学を経験した高校生の声も掲載されています。興味がある方はぜひご覧ください:
おおぞらコラム。