ヤンマーエネルギーシステムが環境賞を受賞
近年、環境問題が深刻化する中、持続可能なエネルギー技術はますます重要な役割を果たしています。そんな中、ヤンマーエネルギーシステムが開発したデュアルフューエルバイオガス発電システムが「第50回優秀環境装置表彰」において、日本産業機械工業会会長賞を受賞しました。この受賞は、同社が環境保全に寄与する優れた技術を提供していることを世に示すものです。
優秀環境装置表彰とは
この表彰は、一般社団法人日本産業機械工業会が主催しているもので、環境保全技術の研究と開発を促進し、優れた環境装置やシステムの普及を目的としています。ヤンマーエネルギーシステムの受賞は、いかにこの発電システムが環境に配慮されたものであるかを物語っています。
デュアルフューエルバイオガス発電システムの概要
ヤンマーが開発したこのシステムは、下水処理施設や食品工場から発生する下水汚泥や食品残渣を利用してメタンガス化されたバイオガスを燃料として使用します。さらに、ディーゼル燃料も併用できる「デュアルフューエルエンジン」を搭載しており、燃料の切り替えが可能です。具体的には、メタンガスを主燃料とし、必要に応じてA重油または軽油を副燃料として使用します。
このシステムの最大の特長は、燃焼時に二酸化炭素を排出しない点です。メタンガスは、燃焼するときにCO2を発生させないため、カーボンニュートラルを目指す取り組みにおいて非常にエコロジカルな選択肢です。
御笠川浄化センターでの実績
ヤンマーエネルギーシステムは、2023年3月に福岡県の御笠川浄化センターにこの発電システムを2台納入しました。これらのシステムは、民間企業による消化ガス発電事業として利用されており、下水処理によって生まれた消化ガスを使って、年間で一般家庭約2000世帯分の電力を生成することが可能です。
テクニカルデータ
- ディーゼルモード: A重油または軽油
- ガスモード: 主燃料バイオガス、副燃料A重油または軽油
- - 発電ユニット質量: 37,500 kg(エンジン、発電機、共通台床を含む)
この発電システムによる成功は、ヤンマーのビジョンである「HANASAKA」に基づく環境に優しい未来に向けた取り組みの一環と言えるでしょう。ヤンマーは今後も、持続可能な社会を実現するための革新的なソリューションを提供し続けることを目指しています。
企業背景
ヤンマーは1912年に大阪で創業し、1933年には世界初の小型ディーゼルエンジンの実用化に成功した歴史ある企業です。農業機械や建設機械、マリン、エネルギーシステムなど多岐にわたる分野でグローバルに展開しており、顧客に持続可能な価値を提供しています。未来を見据えたビジョンを持つヤンマーの取り組みは、我々の環境に対する意識を再考させるきっかけとなるでしょう。
詳細はヤンマーの公式ウェブサイトをご覧ください。