千葉県でスマート農業の未来を体験!小学生がロボットを遠隔操作して収穫に挑戦
千葉県において、未来の農業を担う子どもたちに向けた画期的な教育プログラムが始動します。AIとロボット技術のAGRIST株式会社と、安房農業協同組合(JA安房)が連携し、小学生対象の「ロボットによるリモート収穫体験」イベントを2025年6月上旬に開催すると発表。これは千葉県内で初の試みであり、約100名の児童が最新技術に触れる貴重な機会となります。
このイベントは、JA安房が管轄する館山市周辺の小学校2校で、3年生と4年生の約100名を対象に実施。90分間の授業形式で、スマート農業の全体像を深く学びます。AGRISTとJA安房の取り組み説明を通じ、食料生産現場の現状、農業が抱える課題、AI・ロボットがもたらす未来の可能性について、子どもたちが理解を深める時間となります。
ハイライトは、子どもたち自身がロボットを遠隔操作してキュウリを収穫する体験です。農場の様子がモニターにリアルタイムで投影され、タッチパネル操作で、遠隔からロボットを正確に動かし、作物を選別、収穫するプロセスを体感。この直接的な体験を通じ、食べ物がどのように生産され食卓に届くのかという「食」の重要性を肌で感じることができます。技術の力がいかに農業を変革し、持続可能な生産を可能にするかを目の当たりにすることで、未来の職業選択や夢について考えるきっかけとなるでしょう。体験校には後日、農場より収穫されたキュウリが贈呈され、贈呈式も行われる予定です。
AGRISTは、このリモート収穫体験を全国各地で継続的に展開しています。作物の収穫時期に合わせて不定期に開催され、小さな子どもから障がいを持つ方まで、誰もが農業に触れ、ロボット操作の楽しさを味わえるよう設計されています。収穫期以外でも、開発拠点内のデモンストレーション環境で体験が可能です。過去には、約1000km離れた鹿児島市の幼稚園と宮崎の農場をオンラインで繋ぎ、キュウリの遠隔収穫体験を実施するなど、その活動は多岐にわたります。
今回の千葉県での開催は、次世代を担う子どもたちに、食の安全保障や労働力不足といった現代農業の課題を身近に感じさせるとともに、AIやロボット技術がこれらの課題を解決しうる生きた教材となります。日本の一次産業が持つ無限の可能性と、科学技術が描く未来の社会像を提示することで、子どもたちの好奇心と探求心を刺激し、将来のイノベーターを育む重要な一歩となることが期待されます。JA安房とAGRISTの連携が生み出すこの新しい学びの形は、地域の活性化にも繋がり、持続可能な社会の実現に向けたモデルケースとなるでしょう。