ソニー株式会社は、IoT向けスマートセンシングプロセッサ搭載ボード「SPRESENSE™」に、ハイダイナミックレンジ(HDR)対応のカメラボード「CXD5602PWBCAM2W」を商品化しました。2022年4月28日に発売され、希望小売価格は1万1千円(税込)です。
本製品は、ソニー製のイメージセンサー「ISX019」を搭載し、暗所や逆光など、従来品では撮影が難しかった環境下においても鮮明な画像を得ることが可能になりました。チップ内で異なる露光条件の画像を合成するDOL-HDR(デジタルオーバーラップハイダイナミックレンジ)技術を採用することで、従来比約2倍となる120dBの広いダイナミックレンジによる撮像を実現しています。
さらに、省電力性能とバッテリー駆動にも対応することで、デベロッパーによるアプリケーションやシステム開発の可能性を拡大し、IoT(Internet of Things)センシング市場のさらなる普及・拡大に貢献します。
HDRカメラボードの活用例
本製品は、様々なIoTアプリケーションで活用できます。例えば、以下のような用途が考えられます。
河川や山林・農地などの省電力環境モニタリング
鉄塔や橋梁・発電施設等の省電力インフラモニタリング
出入口など明暗差の大きい場所でのセキュリティカメラ
環境によらない安定した認識結果が得られるエッジAIカメラ
生産設備における、生産状況の監視や設備内部の異常監視
SPRESENSE™との連携
本製品は、発売中のスマートセンシングプロセッサ搭載のSPRESENSE™メインボードと組み合わせて使用できます。これにより、本製品で撮像した画像データや各種センサーからの情報を組み合わせ、エッジAIが認識処理して圧縮したデータを、豊富なネットワークオプションを通じて送信することができます。低消費電力で高画質な撮像にも対応した汎用性の高いシステムアプリケーションを個人でも容易に開発することができます。
ソフトウェア開発環境
本製品のソフトウェアおよびハードウェアの技術情報は、「Sony Developer World」のSpresense専用ページにて公開されています。ソフトウェア開発環境は、「Arduino IDE」、「Visual Studio Code」等に対応し、幅広いアプリケーション開発を可能としています。
主な特長
暗所や明暗差の大きな環境下においても120dBのハイダイナミックレンジによる高画質な撮像を実現
IoT用途で需要の高いHD解像度JPEG出力に対応 (1280(H)x960(V)、約123万画素)
用途に応じてレンズ交換が可能(規格 M8 P0.35)
安定した画像取得により画像認識AIの認識率を向上
販売情報
本商品はオンラインならびに一部店頭での販売を予定しています。
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