Z世代の未来に迫る、マッキャン・ワールドグループの調査結果
2025年3月31日、東京。マッキャンエリクソンは、約40名のクライアントを招き、Z世代に特化した調査「Truth About Youth Japan」を発表しました。今回の調査は、同社のグローバル調査ユニット「McCANN TRUTH CENTRAL」により、世代の深層に迫る内容が盛り込まれています。この調査は、2011年から始まったシリーズの一環として実施されたもので、日本独自の視点で分析されています。
Z世代の不安と生活者としての意識
調査の結果、69%にあたる日本のZ世代が「将来の計画が立てられない」と答えるなど、不安定さが際立っています。これは世界平均の56%を上回る数字です。急速に変化する社会で、Z世代は古い価値観を疑い、自分たちの生き方を模索しています。この不確実な時代にブランドはどのように若者たちとつながりを築くべきか、以下の三つのヒントが考察されました。
ポジティブな逃避が力になる
Z世代はSNSと共に育ち、多様なプレッシャーを感じています。調査によれば、59%が「自分を表現するときには他人を不快にさせないようにすべき」と考えており、93%が「気を紛らわせることは健康的な方法」と回答しました。このように、日常生活のストレスからの解放が、彼らにとって重要な手段であることが明らかになりました。ブランドは、このポジティブな逃避の機会を提供することで、Z世代との関係を築くことができるのです。
夢中になれるプロセスの重要性
一方で、53%は「自分の集中力が心配」と答えており、瞬間的な成果よりも、過程への価値を見出しています。Z世代は、自己の努力によって手に入れたものに対して深い満足感を感じるようになっています。ブランドは商品を提供するだけでなく、発見の楽しさを伴う体験を設計することが求められます。このプロセスを通じて、彼らは受け身の消費者から能動的な探求者へと生まれ変わるのです。
自分らしさを尊重する関係性
Z世代は「全員に理解される必要はない」と考えつつも、自分の存在を肯定してくれる場を求めています。調査では57%が「真実は状況に応じて柔軟に変えられる」と感じ、特定のコミュニティで自分らしさを発揮できることを重視しています。このような環境を提供することで、ブランドはより強くターゲットにメッセージを届けられるのです。
結びに
マッキャンエリクソンの青木社長は、現代の変化に迅速に対応することの重要性を強調しています。特にZ世代という新しい世代とのつながりを強化するためには、単なるトレンド追従ではなく、彼らの深層に眠る価値観や意識を探り続けることが求められます。ヘッドオブストラテジーのシャーロット・オーヤン氏も、マーケターに対してZ世代の感性に寄り添い、共にブランドを創出する存在であるべきだと述べています。
今回の調査を通じて、新しい文化と経済行動を創るZ世代の本音が垣間見えました。彼らの視点を理解することが、ブランド成功の鍵になるでしょう。