教室の温度は適切？2025年学校環境衛生基準調査結果を分析

教職員アンケート結果を基にした学校環境の温度状況

2025年の春、教育現場における温度管理の現状を把握するため、全国の教職員を対象に実施されたアンケートの結果が発表されました。以前の調査から約2年半が経過した中で、学校環境衛生基準である「教室の温度は18℃以上、28℃以下」が実際に遵守されているのか、さまざまなデータを元に探ります。

調査概要

アンケートは、全国の小～高校に通う生徒がいる一条校に勤務する教職員を対象とし、2025年の2月10日から3月24日の間にインターネットで行われました。回答数は72件です。この調査では、学校内の教室や職員室の温度管理について、教職員の意識や運用実態を明らかにしました。

アンケート結果の分析

知識の向上

最初の質問では、文部科学省が定める温度基準についての認知度を尋ねました。結果として、教職員の約25%が「明確に知っていた」と回答し、前回から2%の増加が見られました。また、「だいたい知っていた」とした回答者も前回の41%から49%に増加。このことから、教職員の間で温度管理の重要性への理解が深まっていることがわかります。

夏季の温度管理

続いて、夏季における教室や職員室の温度遵守状況について尋ねました。結果、全体の80%以上が「しっかり守れている」または「だいたい守れている」と回答しました。ただし、校種による違いがあり、小学校では職員室の温度管理が良好なのに対し、中学校では教室の方が良好といった傾向も見られました。

冬季の温度管理

冬季でも同様に、教室や職員室での温度遵守については80%以上が「しっかり守れている」または「だいたい守れている」と答えました。校種ごとに見ると、中学校が特に温度基準の遵守率が高い結果となり、小学校と高等学校もそれに続いています。

温度基準を守れなかった理由

次に、温度基準を「守れていない」と回答した教職員にその理由を尋ねました。最も多かったのは「暖房機器の能力不足」。そのほか「予算不足」や「暖房機器の設置不足」が主要因として挙げられ、多くの現場で温度管理が機器や資金の制限によって難しい状況であることが浮き彫りになりました。

自由記述での意見

アンケートの最後では、教職員の問題意識について自由に意見を述べてもらいました。その中で、予算の制約が温度管理に大きく影響しているという意見が多数寄せられました。また、特別教室や体育館、人員に見合った冷暖房設備が必要だという声もあり、いかに適切な学習環境を整えるかが課題であることが再確認されました。

結論

今回の調査結果から、教職員の温度管理に対する認識が向上している一方で、実際の環境整備においては様々な問題が残っていることが明らかになりました。温度基準を守るためには、設備の改善や予算の配分が必要であることは言うまでもありません。それでも、未来の教育環境をより良くするための第一歩として、教職員が自らの意識を見直すきっかけになることを願っています。