京セラが開発した業界最小の水晶発振器
京セラ株式会社は、業界で最小のサイズを誇る超小型水晶発振器「KC1210Aシリーズ」を開発しました。この新製品は、従来品と比較して約50%低い0.9Vでの駆動を実現し、スマートフォンやウェアラブルデバイスといった進化する技術に対応しています。
開発の背景
この発振器の開発は、AI機能を搭載したデバイスの普及に伴う高機能化を受けたものです。これらのデバイスは、通信速度や大容量データの処理能力を求められ、高い性能を維持しつつも、電力消費を減少させる必要があります。特に、消費電力の増加はデバイスのバッテリー寿命に影響を及ぼし、充電の頻度が上がる問題を引き起こしています。KC1210Aシリーズは、こうした市場のニーズに応えることを目的として開発されました。
KC1210Aシリーズの特長
1. 超小型・低背設計
新たに開発されたKC1210Aシリーズは、サイズが1.25mm×1.05mm×0.5mm以下という業界最小の水準です。この超小型設計は、京セラ独自の技術により、デバイスのサイズを抑えつつ、必要な機能を維持します。また、従来品であるKC2016Kと比較すると、面積が約60%減少し、体積も約1/4に抑えられています。
2. 低電圧駆動
KC1210Aシリーズは、新たな低電圧駆動ICを採用しており、電源電圧を従来品と比較して約50%の低電圧である0.9Vで動作します。これにより、消費電力も同様に削減され、スマートフォンやウェアラブルデバイスの省電力化に大きく寄与することが期待されています。
主な用途
この新しい水晶発振器は、以下のような多様なデバイスでの使用が見込まれています。
- - スマートフォン
- - VRゴーグル
- - ウェアラブルデバイス
- - IoTモジュール
今後の予定
このKC1210Aシリーズは、2025年9月17日からサンプル提供が始まり、2026年の夏には量産体制が整う予定です。京セラは、この新製品の開発を通じて、高機能化が進むデバイス市場のニーズに応え、さらなる技術革新を促進していくに違いありません。
まとめ
京セラが開発したKC1210Aシリーズは、業界最小のサイズながらも、低電圧駆動を実現し、スマートデバイスの進化に寄与する重要な製品です。この新たな水晶発振器は、今後のデバイス設計において、重要な役割を果たすことでしょう。