日立システムズ、森林の価値を可視化する革新的サービスを発表
2023年、株式会社日立システムズが発表した新たなサービスは、ドローンとAIの技術を活用して森林の自然資本を科学的に評価するものです。このサービスは、企業や自治体が行うネイチャーポジティブ施策を支援し、森林の持つ価値を可視化することを目的としています。サービス名は『ネイチャーポジティブ推進支援サービス』です。
ネイチャーポジティブ推進支援サービスの概要
このサービスは、日立システムズが持つ先進の森林解析技術と、サンリット・シードリングス株式会社が提供する生物多様性分析技術を組み合わせて構成されています。具体的には、環境DNA分析、GIS分析、野外調査によるデータを使用し、森林の水源涵養機能や炭素蓄積量を評価します。また、これにより将来の変化をシミュレーションし、データをもとに自然資本の経済的価値を明らかにします。
生物多様性評価の重要性
特に生物多様性の評価には、環境DNA分析が用いられており、これは国際的な基準である『自然の状態(SoN)指標』に則った方法です。企業や自治体がその成果を報告することで、投資家や地域住民などのステークホルダーに対しても、より直感的に成果を伝えることが可能になります。
歴史的背景
近年では、企業が持続可能な経営を求められることが増えてきました。その中で、気候変動対策だけでなく、生物多様性や水、土壌などの自然資本への責任も重視されるようになっています。このような背景を受けて、企業は森林整備等を通じてその貢献度を客観的に示す必要があります。しかし、従来の評価方法では、どの程度の経済価値をもたらしているのかを具体的に示すことが難しいという課題がありました。
実証実験の成果
群馬県森林組合連合会との協力により、本サービスの実証実験が2025年から2026年にかけて実施され、評価の結果として対象森林の水源涵養機能による年約4,900万円の便益が確認されました。さらには、適切な樹種を植えることによって年間約6,000万円まで便益が向上する可能性も示されました。この結果から明らかにされる森林の価値は、ただの数字ではなく、上手に森林を管理することがもたらす経済的利益の証明となります。
企業における自然資本の重要性
企業は、自然資本の状態を把握し、それを持続的に管理しづづける責任があります。国際的な合意事項である『昆明・モントリオール生物多様性枠組』に基づき、2030年までの環境目標の具体化に向けた支援も、日立システムズは積極的に行っています。また、自然資本に関連する情報開示の重要性についても、企業の財務状況を左右する重要な要素として捉えられています。
未来に向けての展望
日立システムズは今後、全国の企業や行政、森林組合と連携し、ネイチャーポジティブの取り組みをさらなる広がりへと導くことを目指しています。将来的には、評価や可視化だけでなく、実際にネイチャーポジティブ活動を実行するための支援も検討しています。これにより、企業の持続可能な発展だけでなく、地球環境の保全にも厚い貢献を果たすことができるでしょう。30 by 30目標などの大きな目標の達成も見据えながら、地域と共に成長する企業となることを目指します。