福井市とスロベニア・クラン市が結んだ新たな絆と交流の未来

福井市とスロベニア・クラン市の姉妹都市協定締結

福井県の福井市が、スロベニア共和国のクラン市と姉妹都市協定を結びました。この協定は2025年9月22日の出来事で、クラン市の代表団が福井市を訪れ、ハピリンホール能舞台にて正式に署名が行われました。市長の西行氏とクラン市のマティヤシュ・ラコヴェツ市長が署名する際には、双方の市の文化と絆の強化への期待が込められていました。

姉妹都市提携の背景と意義

福井市にとって、海外との姉妹都市提携は2001年に韓国の水原市と結んで以来、5都市目となりますが、欧州地域での提携は初めてのことです。西行市長は、クラン市が持つ美しい自然環境や豊かな文化を強調し、今回の協定が両市の絆をさらに深化させる機会であると述べました。また、ラコヴェツ市長は、学校間の交流の重要性を取り上げ、学生たちが福井市やその文化に触れることの価値を説きました。

共通の文化、伝統を通じた交流

福井市とスロベニアには共通点がいくつかあります。その中でも注目すべきは「そば」と「水仙」です。スロベニアでは、日本よりも多くのそばが消費されており、パンやパスタなどさまざまな料理に使用されています。それに対し、福井市でもそば文化が根強く、地域の特産品としても知られています。また、スロベニア北部には水仙が群生し、毎年5月には水仙祭りが開催される一方で、福井市の越前海岸も日本三大群生地の一つで、1月には水仙まつりが行われています。これらの共通の文化的要素は、福井市とスロベニアの重要な結びつきの要因となっています。

2017年には、これらの要素に基づき福井市はスロベニアをホストタウンとして登録しました。東京五輪においては、スロベニアの選手団が福井市で事前合宿を行い、さまざまな競技の選手たちが地域で練習を積みました。これにより、両市の互いの文化理解が深まり、学校間の交流が進められています。

大阪・関西万博と今後の展望

さらに、福井市は2025年に開催される大阪・関西万博において、スロベニアのナショナルデーに参加予定です。このイベントには西行市長が出席し、クラン市との関係をさらに深める活動に取り組む予定です。

福井市は今後もクラン市との姉妹都市協定を通じて、教育、文化、経済など多岐にわたる分野での交流を進め、両市の絆を一層強固なものとしていく方針です。これからの相互活動に期待が寄せられる中、福井市とスロベニアの新たな未来が描かれつつあります。