サイバー犯罪捜査の新たな知識基盤:ナレッジフォーラム設立
今年、サイバー犯罪捜査・調査ナレッジフォーラム(CIKF)が新たに設立されました。このフォーラムは、特定の利害を持たない中立的かつ非営利の組織として、サイバー犯罪捜査能力を必要とする機関や組織に対して支援を行います。その大きな柱となるのが、知的財産であるCIBOK(Cybercrime Investigation Body Of Knowledge)です。このCIBOKは、サイバー犯罪及びその調査・捜査に関する知識を体系的に集約し、サイバー犯罪への対応能力の向上をサポートすることを目的としています。
CIBOKは昨年、米国のワシントンD.C.にて正式に第1版をリリースされ、現在は公式サイトで購入可能です。この知識体系を通じて、CIKFは法執行機関や民間のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)など、多様な関連機関に対し、組織としての能力向上を図るための啓発や普及活動を行います。
具体的には、次のような活動が予定されています。まず、サイバー犯罪捜査に関する教育や研修を提供し、機関の人材育成を促進します。また、資格制度の運用や、サイバー犯罪捜査に関する情報収集・発信を通じて、各機関がより効果的に機能できる支援を行います。さらには、技術の調査や研究も進めることで、常に最新の情報や技術をメンバーに提供します。
特に注目すべきは、教育・研修プログラムの提供です。サイバー犯罪の本質を理解し、正しい事件対応の方法を学ぶことで、各機関のサイバー犯罪捜査能力を向上させる研修プログラムが計画されています。このプログラムには、経営層や法執行機関の幹部向けの研修、CSIRT部門やサイバー犯罪捜査部門の責任者、副官向けの研修が含まれます。
さらに、設立を記念して特別セミナーが開催されます。このセミナーでは、国内外の専門家が集まり、サイバー犯罪の本質や、インシデント対応の正しいモデルについての講演やパネルディスカッションが行われる予定です。参加者は、豊富な知見を持つ専門家の話を交えながら、最新のサイバー犯罪に対する理解と対策について学ぶことができます。
CIKFの運営には、富士通やデロイト、トレンドマイクロなどの大手企業が参加しています。このような企業からの知見や経験を活かし、CIKFは効果的な運営を目指しています。今後、サイバー犯罪捜査・調査についての知識やスキルを広く普及させることにより、社会全体のレジリエンスを高めることに貢献するでしょう。
CIKFへの参加を希望する企業や団体も募集中で、参加することで様々な特典が得られます。正会員であれば、研修やセミナーへの優先参加や、知財の二次利用が可能となります。サイバー犯罪に対抗するための情報とネットワークを確保する絶好のチャンスです。
サイバー犯罪は現代社会の重大な脅威であり、その対策には様々な能力と知識が求められます。新しく設立されたCIKFは、こうしたニーズに応え、社会をより安全にするための貴重な役割を果たすことでしょう。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人 サイバー犯罪捜査・調査ナレッジフォーラム
- 住所
- 東京都港区新橋6-7-9新橋アイランドビル3階
- 電話番号
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03-5405-1816