坂ノ途中の最新インパクトレポート
環境負荷を低減した農業の普及を目指す株式会社坂ノ途中が、持続可能な農業と暮らしのための取り組みを詳しくまとめた「坂ノ途中の報告書 vol.2」を発表しました。ここでは、持続可能な農業に関する最新の進捗とデータが紹介されており、特に2年間の変化やIMM(インパクト測定・マネジメント)との関連が注目されています。
環境負荷と持続可能性
坂ノ途中は、「100年先もつづく、農業を。」というビジョンを掲げて、持続可能な農業の実現に向けてさまざまな取り組みを行っています。報告書によると、地球環境の限界を示す「プラネタリー・バウンダーリー」において、すでに6つの項目が限界を超えています。これには、化石燃料の消費や過度な土地利用が影響を及ぼしており、持続可能な農業の重要性が一層強調されています。
農林水産省が設定した2050年までの「有機農業の取組面積の割合25%達成」という目標を達成するためにも、坂ノ途中の取り組みは重要な役割を果たしています。
IMMへの取り組みとその意義
坂ノ途中は、2022年からIMMに取り組んでおり、自社の事業がどのように環境にポジティブな影響を与えているかを測定しています。この取り組みでは、セオリー・オブ・チェンジとして、取引先の生産者数、売上高、顧客数などをKPIとして設定し、データの収集と分析を行ってきました。
アウトカム1:環境意識の変化
報告書では、定期宅配を利用している顧客を対象にした調査結果も紹介されています。顧客の中で、環境負荷の小さな農業が育てた野菜が生活に溶け込んでいることが確認され、月次離脱率は低い傾向にあります。また、アンケートでは、「旬の野菜を意識するようになった」や「生産方法に関心を持つようになった」といった意見が多く寄せられ、消費者の意識に明確な変化が生じていることが伺えます。
アウトカム2:持続可能な栽培の拡大
また、コーヒー事業の「海ノ向こうコーヒー」においては、スタッフが直接産地を訪れ、生産者と消費者の文化をお互いに理解する機会を設けています。この取り組みの結果、持続可能な農法の面積が約600haに達しました。2023年には、国連WFPラオス事務所と共同で生活改善プロジェクトが始まり、コーヒーの生産支援を通じた地域振興が期待されています。
未来に向けた展望
坂ノ途中は、これまで多くのステークホルダーと協力しながら、環境に優しい農業を実現するための施策を進めてきました。今後も、実施した取り組みが社会課題解決に繋がるかどうかを継続的に検証し、さらにインパクトの評価を深めていく予定です。
詳細な報告書は、
こちらから確認できます。
このように、持続可能な農業の普及が求められる中で、坂ノ途中の系統的なアプローチが、個々の消費者意識や生産者の行動にどのように影響を及ぼしているのか、これからの動向が注目されます。