新たな職場環境を支える「LensPro」サーベイツールの登場
人材アセスメントを中心に活動する株式会社マネジメントサービスセンター(MSC)が、法政大学キャリアデザイン学部の坂爪洋美教授と共に開発した「LensPro(メンターシップ・成長観サーベイ)」のサービス提供を開始しました。このツールは、管理職の育成に特化し、部下の成長実感を重要視する点が特徴です。
サーベイツール開発の背景
現代の職場では、管理職には個々の部下に応じたきめ細やかなマネジメントが求められています。従来のように組織全体の帰属意識を醸成することが難しくなりつつある中で、企業はキャリア自律や多様性を重視しています。なおかつ、働き方改革やパワハラ防止法の導入により、管理職は部下の育成や業務の委譲に高い配慮を求められています。
実際、過剰な要求がない健全な職場環境の確立は進むものの、「ゆるブラック」とも称される緩すぎる環境が従業員のストレスとなりかねません。そのため、上司と部下(特に若手層)との間のコミュニケーションの齟齬を解消し、職場の健全化を図るためにこのツールは開発されました。
サーベイの具体的内容
「LensPro」は、2つの主なサーベイからなります。まずは「メンターシップ・サーベイ」です。これは管理職が育成において果たす役割を具体化し、指導、支援、関係構築の側面から上司と部下の意識の違いを明らかにすることを目的としています。これにより、簡潔に自己理解や他者理解を醸成し、部下の育成に悩む管理職を支援します。
メンターシップの機能
メンターシップには、以下の3つの機能があります。
1.
ティーチング(指導・伝達):知識や技術の伝達
2.
コーチング(支援・傾聴):部下の意見や感情を受け入れサポート
3.
スポンサーシップ(関係構築・自己研鑽):上司が部下を推奨し成長の機会を提供
次に、「成長観サーベイ」です。こちらは、部下が仕事を通じてどのように成長を実感するのか、個別の視点で明らかにします。世代や経験に応じた成長実感を可視化し、上司と部下のコミュニケーションを促進します。
成長観のモデル
このサーベイでは、成長実感を評価するために、仕事と評価の観点から評価軸を設け、実際の業務内容やスキル面、自己評価、他者評価といった多面的な視点を取り入れています。これにより若手と管理職層が共通の成長ポイントを認識し、エンゲージメントを高めることが期待できます。
自己理解の深化
この「LensPro」を活用することで、管理職は自己理解を深め、メンターシップを効果的に発揮できるようになります。それによって職場環境の質が向上し、結果的に部下への成長実感や働きがいを引き出すことが可能になるでしょう。
共同開発者のご紹介
法政大学キャリアデザイン学部の坂爪洋美教授が共同開発者として参加しており、彼女は産業・組織心理学の専門家です。多様な人材マネジメントに関する著書も持つ彼女の知見が、このツールの信頼性を高めています。
まとめ
「LensPro」は、現代の職場における管理職の育成をサポートする新しいサーベイ・ツールです。これにより、人材の流動性や職場環境の質を向上させ、円滑なコミュニケーションを実現します。今後、企業がこれをどのように導入し、効果を上げていくかが注目されます。