幻の秀頼物語
2026-03-27 11:35:57

大佛次郎の幻想世界:秀頼を巡る二つの物語とその魅力

大佛次郎の幻想世界:秀頼を巡る二つの物語とその魅力



大佛次郎の文学は、歴史と幻想が交差する豊かな物語で知られています。彼が特に注目したのは、豊臣秀頼の神秘的な“生存伝説”。秀頼は大坂夏の陣で自刃したとされていますが、各地には生存に関する話が残っています。この謎に魅せられた大佛次郎は、1937年に小説『生きてゐる秀頼』を執筆しました。

この作品は、過去の史実に基づきつつも幻想的な要素が入り混じった物語で、戦国時代の人々の夢やロマンを描写しています。その後、26年の時を経て彼は同じ題材を背景に『月の人』を発表します。この作品は後に『月から来た男』と改題され、読者に新たな視点を提供しました。大佛次郎自身も「再び書こうとしても再現できない」と語るほど、この作品には彼の深い愛情が込められています。

展覧会では、これら二つの作品を中心に、戦国時代を舞台とした他の小説や歌舞伎の戯曲にも焦点を当てます。大佛次郎が晩年に至るまで問い続けたテーマである「大衆小説にふさわしいロマンチシズム」の解明を目指します。彼が参照した資料や書簡、取材の記録も紹介され、制作の裏側に迫ります。

特に注目すべきは、勝田哲と佐多芳郎の二人の画伯による挿絵です。勝田哲が手がけた『生きてゐる秀頼』の挿絵は、連載が22回にわたる間に彼が描いた多くの作品を含み、物語の情景を鮮やかに表現しています。一方、佐多芳郎が描いた『月の人』は、全300回の連載にわたる挿絵が存在し、そのダイナミックな表現は作品の魅力を大いに引き立てました。挿絵原画は現在所在が不明ですが、掲載誌から取り出した約350点の挿絵をデジタルサイネージで一挙に公開します。その際には、挿絵に関連する文章も添えられ、作品の世界観を視覚的に感じることができます。

展覧会情報


本展覧会は次のように開催されます。
会期:令和8年4月25日(土)~8月16日(日)
開館時間:10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌平日)
料金:大人(高校生以上)200円、中学生以下は無料(団体料金あり)
※横浜市在住の65歳以上は100円、障がい者手帳をお持ちの方とその付き添い1名は無料、毎月23日と第2・第4土曜日は高校生も無料です。

大佛次郎の作品を通じて、歴史と幻想の狭間に存在する豊かな物語の力を感じてみてください。


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会社情報

会社名
公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団
住所
横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル1階
電話番号
045-221-0212

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