若者がRPG感覚で起業を学べる「アントレクエスト2025」が岡山大学で開催

国立大学法人岡山大学は2025年8月21日、初の「アントレクエスト2025」を開催しました。このプログラムは、岡山理科大学と株式会社Armoryとの共催で、RPG（ロールプレイングゲーム）の要素を取り入れたユニークな教育体験です。岡山大学津島キャンパス内の共創イノベーションラボKIBINOVEで行われ、中高生を対象に参加者がチームを組み、実際の起業のプロセスを体験します。

このプログラムの特徴は、アイデア創出から始まり、ビジネスモデルの設計、仮想資金を使った資金調達、最後のピッチ発表までを一貫して行う点です。参加者は自らの考えを社会に届ける力を育むことを目的としており、全国各地で高い評価を得ています。また、県内の小中高生や大学生フェローを含む約30名が参加し、午後の活動ではチームに分かれて具体的なビジネスアイデアに取り組みました。

発表の中には、「絶対に早起きできるアプリ」というユニークなアイデアがあり、起床後50歩歩かなければアラームが止まらない仕組みが提案されました。ポイント還元や脈拍の確認など、楽しみながら起きることを促すアイデアが盛り込まれています。さらに、食品ロスを削減し、地産地消を実現する「ロスゼロ弁当」、人物認証や在庫管理を通じて転売防止を図る仕組み、シェフを迎えた「おいしく eat」プロジェクトなど、多彩な発想が発表されました。

参加者たちは、短時間で練られたアイデアを堂々と発表し、会場は大きな拍手に包まれました。実際にプログラムに参加した中高生たちは、「ゲームのように楽しみながら学べた」「将来の起業家への意欲が湧いた」と感想を述べ、豊富な体験から新たな視点と挑戦心を得た様子が印象的でした。

岡山大学は、この取り組みを通じてAI時代に必要な「創造性」「協働力」「自己表現力」を育む場を提供しており、地域や多様な機関と連携しながら、今後も若者が自らの可能性を発見し挑戦できる機会を創出していきます。特に「アントレクエスト2025」は地域中核大学としての役割も果たし、国内外での革新を促進する一助となることでしょう。

この催しは、内閣府の「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」の枠組みの中で実施されました。地域との連携を大切にし、岡山大学の今後の活動にさらなる期待が寄せられます。イベントの様子や詳細は岡山大学の公式ウェブサイトでご覧ください。