日本がパキスタンのポリオ根絶を支援する新たな資金協力について

日本によるパキスタンのポリオ根絶支援

2023年、パキスタンにおけるポリオ根絶に向けた新たな取り組みとして、日本政府は5億1,500万円の無償資金協力を決定しました。この支援は、国連児童基金（UNICEF）を通じて行われ、対象となるワクチン調達の重要な一助となります。これにより、2026年に予定されているワクチン接種キャンペーンに向け、2,400万回以上の経口ポリオワクチンが供給されることが見込まれています。

パキスタンのポリオ状況

パキスタンは、依然としてポリオウイルスが根絶されていない国の一つであり、2025年には30件のポリオ症例が報告されています。このような危機的状況を受け、パキスタン政府は「国家緊急行動計画2025-2026」を策定し、ポリオ根絶に向けた効果的な対応を進めています。

特に重要なのは、全国予防接種キャンペーンであり、5歳未満の子どもを対象に、毎回4,500万人以上にワクチンを提供するために、40万人以上の保健員が活動します。これにより全国規模での感染拡大防止が図られているのです。

日本政府の支援の意義

日本の支援者であるアイーシャ・ラザー・ファルーク・ポリオ根絶首相担当官は、この資金協力が単なる金銭的支援に留まらず、共通の目標を達成するための重要な連帯でもあると強調しています。また、日本の支援が子どもたちの未来を守るための重要な投資であるとする赤松秀一駐パキスタン日本国特命全権大使の言葉も、支援の背後にある意義を一層際立たせています。

彼は、「日本は予防可能な疾病から子どもを守るために長期的な支援を続けます」と述べ、この協力がパキスタン、UNICEF、およびその他のパートナーとの強力な連携によって実現されることを示唆しました。

ワクチン供給の効率化

新たに拠出された資金は、ポリオ根絶に向けたワクチンの調達と配布に貢献します。宮田尚亮国際協力機構（JICA）パキスタン事務所所長は、パキスタン政府の強いコミットメントを称え、すべての子どもに必要なワクチンを届けることが重要であると述べました。コミュニティと保護者の協力により、持続的なポリオ根絶が期待されています。

UNICEFとのパートナーシップ

UNICEFのパニラ・アイロンサイド代表は、日本政府の支援がパキスタンでのポリオ根絶活動において重要な役割を果たすと語り、このパートナーシップが子どもたちを守り、保健システムを強化することに繋がると強調しました。日本政府は、1996年以降、UNICEFを通じてパキスタンに約2億4,500万米ドル以上の支援を行い、数億人の子どもたちの命を守ってきました。