エイターリンクが「J-Startup」に選出
2023年11月、この度エイターリンク株式会社が経済産業省が運営するスタートアップ支援プログラム「J-Startup」の第5次選定企業に選出されたことをお知らせします。エイターリンクは、2020年に設立されたディープテックスタートアップであり、東京都墨田区に本社を構えています。
J-Startupプログラムとは
「J-Startup」は、グローバルに活躍するスタートアップを育成する目的で2018年に開始されたプログラムです。このプログラムでは、経験豊富なベンチャーキャピタリストや大企業の専門家による推薦を元に、高い潜在力を持つ企業が選ばれ、政府機関や民間団体の支援を受けることができます。プログラムは、経済産業省や日本貿易振興機構(JETRO)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によって運営されています。
今回、エイターリンクを含む31社がJ-Startup企業として選定され、イノベーションを通じて社会の発展に貢献することが期待されています。特に、エイターリンクはワイヤレス給電技術を駆使したソリューションを展開しており、さまざまな産業におけるデジタル化を加速させる役割を果たしています。
エイターリンクの技術とビジョン
エイターリンクの主力製品である「AirPlug™」は、空間伝送型ワイヤレス給電ソリューションです。この技術により、最大17メートルの距離で電力を供給しつつ、従来の有線接続に代わる革新的な方法を提供しています。エイターリンクは、Factory Automation(FA)、Building Management(BM)、およびMedical Devicesという三つの主要な領域でビジネスを展開し、ワイヤレス給電の普及と新市場の創出に取り組んでいます。
1. Building Management(BM)事業
「AirPlug™」を通じて、オフィスやビル内の環境センサーをワイヤレスで接続することで、配線工事を不要にし、環境情報に基づいたスマートなビルシステムを実現します。例えば、オフィス内に設置した温湿度センサーをもとに、空調システムの効率を最大26%削減することが可能です。これにより、快適な作業環境を提供し、ワーカーのストレスを軽減します。
2. Factory Automation(FA)事業
エイターリンクは、空圧制御機器のリーダーであるSMC株式会社と協力し、完全ワイヤレスで機能するセンサーを共同開発しています。このセンサーは、従来の有線接続の煩わしさを解消し、断線トラブルや配線工数の削減に貢献することが期待されています。
資金調達状況
最近、エイターリンクはシリーズBエクステンションラウンドで18億円、さらにベンチャーデットで10億円を調達しました。この資金を活用し、新製品の開発やグローバル展開に加え、半導体事業など新たな領域でも研究開発を進めていくとのことです。これにより、ワイヤレス給電技術のさらなる進化とコストダウンを図ります。
まとめ
エイターリンクの選定を契機に、同社は「ワイヤレス給電で配線のないデジタル世界を実現する」というビジョンを達成するための取り組みを加速させます。これからの活躍が期待されるエイターリンクにぜひ注目していきたいと思います。