STマイクロエレクトロニクスが新たに発表した車載用バッテリ効果的LDOレギュレータ
STマイクロエレクトロニクス(ST)が、自動車業界向けに新しい低ドロップアウト(LDO)レギュレータ「L99VR03」を発表しました。この製品は、広い入力電圧範囲に対応し、動作に際して無負荷時の静止電流がわずか3.5µAと極めて低く抑えられている特徴があります。これにより、バッテリ消耗を最小限に抑えることが可能となります。
特徴と機能概要
L99VR03は、車載用のマイクロコントローラやロジックIC、センサーへの電力供給に有効で、ボディ制御モジュールやテレマティクスコントローラなど多様な用途に利用できます。また、特筆すべきはイネーブル・ピンを備えており、この機能を活用することでレギュレータをオフにした際にアイドリング電流を800nAまで削減できる点です。さらに、電流を制限するソフトスタート回路も内蔵しており、安全かつ効率的な運用が可能です。
高温低温耐性
動作温度範囲は-40℃から+175℃までと非常に広く、特に内燃エンジン車両のボンネット内や電気自動車の駆動部分に設置する際にも効果を発揮します。また、さまざまな環境下でも安定した働きをすることが求められる車載アプリケーションでも活用できる設計がなされています。
設定されている出力には2種類
L99VR03は、固定出力のオプションとして3.3Vと5Vを提供し、最大40Vの入力電圧を受け入れます。さらに、出力電圧精度は±2%以内を実現し、コールド・クランクやロード・ダンプといった過酷な状況においても安定した出力が保証されています。この安定性は、スイッチングノイズの除去能力によっても強化されており、60dB以上のノイズ抑制を実現しています。
量産とコスト
現在、L99VR03は量産体制に入っており、2種類のパッケージオプションで提供されることが発表されています。VFDFN8Lパッケージ(3 x 2mm)は裏面に電極を備え、ウェッタブル・フランク構造を採用しており、リード付きのPowerSSO12パッケージ(4.9 x 3.9mm)は放熱を最大化する大型ヒートスプレッダを持っています。これにより、様々な設置条件に応じた高い熱効率が期待されます。
参考価格として、VFDFN8Lパッケージは0.39ドル、PowerSSO12は0.51ドルとされています。これらはSTのeStoreや認定販売代理店を通じて購入することが可能です。
STマイクロエレクトロニクスの使命
STは、約5万人の従業員を抱えるグローバルな半導体メーカーであり、顧客のビジネスや持続可能な社会に向けた創造を支援する半導体ソリューションの開発に注力しています。スマートモビリティやエネルギー管理、クラウド接続型デバイスの普及を推進するため、最新の技術を活用しています。
また、持続可能な開発の視点からは、カーボンニュートラルの達成を目指しており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用を100%にする計画を掲げています。これにより、半導体業界においてもエコに配慮した製品の提供を進めていきます。
より詳細な情報については、
STの公式ウェブサイトをご確認ください。
お問い合わせ先は、STマイクロエレクトロニクス株式会社、アナログ・MEMS・センサ製品グループです。住所は、〒108-6017 東京都港区港南2-15-1、品川インターシティA棟、連絡先電話番号は03-5783-8260です。