台湾・泓徳能源が日本市場進出
台湾のスマートエネルギー企業、泓徳能源(HD Renewable Energy)は、北海道札幌市に建設中の大規模蓄電所「Helios」の稼働を2025年末に目指しています。この蓄電所は出力50MW、容量104MWhを誇り、昨年7月には北海道電力の特別高圧送電網への系統連系を完了しました。現在、商業運転前の最終調整段階に入っています。
重要なマイルストーン
本プロジェクトへの投資額は約59億円で、泓徳能源の日本市場への本格参入を象徴する重要なステップと位置付けられています。「Helios」は再生可能エネルギーによるエネルギー供給の需給調整を支えるために設計されており、電力系統の安定化やピーク需要のシフトに貢献が期待されています。
運営は星星電力が担当
この蓄電所の運営は、泓徳能源グループに属する星星電力(Star Trade)が担います。星星電力はAI技術を活用した電力取引プラットフォーム「Star Trade」を運営しており、蓄電所の運用を通じて容量市場やスポット市場への参入を図ります。彼らのビジネスモデルは、「長期固定収益(tolling)」と「市場取引最適化(merchant)」の二軸で構成され、この2つを組み合わせることで安定した収益と市場の機会を両立させることを狙っています。
日本市場の重要性
泓徳能源の周仕昌総経理は「日本は当社にとって非常に重要な海外市場です。今後も戦略的パートナーとの連携を深め、スマートエネルギーや再生可能エネルギーの普及に寄与していきたい」と述べています。すでに日本国内で複数の事業を展開しており、2024年4月には三菱電機との合弁会社設立も予定されています。エネルギーリソースアグリゲーション(ERA)事業に力を入れ、さらなる展開を期待されています。
国内プロジェクトへの参画
泓徳能源は群馬県での蓄電プロジェクトにも参加しており、東京都の「再生可能エネルギー導入拡大のための大規模系統蓄電支援事業」においては約11.9億円の補助金を受けています。加えて、長期脱炭素電源市場における蓄電システム容量入札でも連続して入札を行っており、合計400MWの容量を確保しています。これらのプロジェクトは2028年から2029年に運転を開始する予定で、2026年の入札にも参加する意向を示しています。
未来に向けた展望
泓徳能源は、今後日本市場でのさらなる成長と普及を目指す中で、再生可能エネルギーの導入を進め、環境への影響を減少させることに焦点を当てています。北海道の「Helios」に続く新たな蓄電プロジェクトから目が離せません。エネルギー関連の進展は、私たちの生活に大きな影響を与えるでしょう。