アイレット、全社におけるGoogle Agentspace導入について
アイレット株式会社は、東京都港区に本社を構え、システム開発やグラフィックデザインからインフラ運用まで幅広いサービスを提供しています。2025年9月には、全従業員1,300人以上を対象に、Google Cloudの次世代生成AIプラットフォーム「Google Agentspace」を導入することを発表しました。この動きは、社内情報の迅速な活用を促す環境を整え、業務効率を最大限に引き上げることを目指しています。
導入の背景
アイレットは、クラウド技術を利用した総合的な支援サービス「cloudpack」を展開しながら、2018年以降、企業の成長に伴い年間100名以上を新たに採用してきました。これにより、従業員数が急増し、社内のさまざまなツールに情報が分散する「ナレッジのサイロ化」が問題視されるようになりました。この状況は、従業員が本来の業務に集中できなくなる原因の一つとなっていました。
そこで、アイレットは2025年6月にGoogle Agentspaceの導入に向けたPoC(概念実証)を実施しました。このプラットフォームは、企業が持つ様々なデータと生成AIを結び付け、対話型の業務支援ツールを簡単に構築できる特性を持っています。各種の文書やシステムデータをAIが理解し、シームレスに接続することで、必要な情報の迅速な抽出や業務の自動化を実現します。
実際にPoCを体験した従業員からは、問い合わせ調査にかかる時間が数時間から数十秒に短縮されたとの報告が寄せられています。さらに、過去の案件から得られた知見の検索や、決算業務に必要な情報も大幅に迅速化され、多くの場面で業務効率が向上したとの声がありました。これにより、Google Agentspaceは単なる業務効率化の手段にとどまらず、社員がよりクリエイティブな業務や本質的な仕事に集中できる環境を作る重要なプラットフォームであることが確認されました。
今後の展望
アイレットは、2023年から生成AIの全社的な活用を進めており、すでにサポート業務の工数を年間31.2人日もの削減に成功しています。Google Agentspaceの導入を足掛かりに、SaaSとの連携を進め、基幹システムとの連携計画も順次実施していく予定です。また、今後1年間でGoogle Agentspaceを活用した社内の具体事例を10件発表し、新たな働き方やビジネスモデルの創出にもチャレンジしていくことを目指しています。
さらに、アイレットはAIの活用実績としても注目されています。Geminiを使った議事録の自動生成により管理職が迅速に情報を把握する手助けを行い、法務部門ではNotebookLMが契約書業務の効率化に貢献しています。これにより業務時間をレポート化し、人事評価に生かす工夫もされています。
経営陣からのコメント
アイレットの代表取締役社長、岩永充正氏は、「Google Agentspaceの全社導入により、業務の効率化を図ると同時に、社員がより価値の高い仕事に集中できる環境を構築します」と語っています。また、Google Cloudの上級執行役員、上野由美氏も「この導入によって業務の効率と生産性の飛躍的な向上が期待される」とのコメントを発表しています。
これからも、アイレットはAI技術を駆使して進化し続け、お客様に対して新たな価値を提供することを目指します。昨今のデジタル化の進展に伴い、業務効率化を実現するための技術革新が求められている中、アイレットはその先頭に立ち、業界全体のAI活用をリードしていく存在となることが期待されています。