アジア太平洋地域における気候変動への関心の二極化とその影響

2025年IPSOS世界調査の結果



2025年10月28日、香港で開催中の総会で発表されたForest Stewardship Council®(FSC®、森林管理協議会)の報告によると、アジア太平洋地域における気候変動への関心が二極化していることが明らかとなりました。

調査概要


この調査は、IPSOSと共同で50カ国、4万人以上の回答者を対象に実施されました。その結果、気候変動は現在、戦争や紛争(52%)に次ぐ懸念事項として挙げられており、31%の人々が気候変動を重視していることが分かりました。

二極化の要因


調査結果は、アジア太平洋地域での国々の関心度が大きく異なることを示しています。日本とタイでの関心の上昇が特筆され、特に日本は9.5ポイントの増加を示し、調査対象国の中でも注目されています。一方、オーストラリアと中国ではそれぞれ8.5ポイントおよび7ポイントの減少が見られ、気候変動に対する関心が低下しています。これらの結果は、地域の気候リスクと人々の関心との間にズレが生じていることを示唆しています。

森林管理への懸念


調査における森林関連の質問では、日本(41%)やインド(40%)で森林減少への懸念が高く、オーストラリアでは植物や動物の種の喪失が46%で最も大きな懸念となっています。また、ベトナムとインドネシアでは干ばつや洪水への懸念も高く、インドの約2倍に達しています。消費者の意識が高まる中で、企業は森林管理に真剣に取り組む必要があります。

消費者の意識の変化


調査によると、29市場のうち72%の消費者が植物や動物に害を及ぼさない製品を選びたいと考えており、持続可能な製品を求める声が高まっています。特に、FSCラベルの認知度はベトナム(63%)、タイ(61%)、中国(60%)で世界平均を上回っています。つまり、消費者は購買時に環境への配慮を重視していることが分かります。

これからの展望


これらの結果は、企業に対する要求として「信頼できる調達」の重要性を浮き彫りにしています。消費者は、自分たちの選択が森林や地域社会を支えるものであると確信したいと考えており、企業にはその責任があります。FSCとしては、環境の持続可能性と社会経済の安定を両立させる統合的な戦略を提唱し、気候変動が後回しにされないよう呼びかけています。この調査結果は、FSC総会での重要な議題としても取り上げられることでしょう。

結論


気候変動に対する関心が二極化しているアジア太平洋地域では、特に日本やタイでの関心の高まりが感じられます。消費者が持続可能な製品を求める一方で、環境リスクへの懸念も強まっています。企業はこの潮流を受けて、持続可能な取り組みを加速させる必要があります。

会社情報

会社名
特定非営利活動法人日本森林管理協議会
住所
東京都世田谷区岡本2丁目18番5号
電話番号

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