東鋼と匠技研工業が提携で目指す製造業のDX化
2023年秋、株式会社東鋼(東京都文京区)と匠技研工業株式会社(同じく東京都文京区)が、製造業における見積業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための販売提携を発表しました。両社の協力を通じて、特化したAI基幹システム「匠フォース」の導入を図り、製造業全体の業務効率化を目指しています。
東鋼の取り組み
東鋼は、1937年の創業以来、オーダーメイドの特殊精密切削工具を提供してきた企業です。一品一様の製造現場においては、見積もりが非常に重要な役割を果たしますが、そのプロセスは複雑で時間がかかることから、効率化が大きな課題とされていました。特に、見積判断が担当者の経験に依存しやすく、業務の属人化や情報の散逸が問題となっていました。
このような課題に対処するため、東鋼は「匠フォース」を導入し、見積業務の再設計に取り組みました。具体的には、業務フローを見直し、6工程に集約し、必要なツールを3つから2つへと削減。また、アナログな承認方法からデジタル化された承認フローに移行し、人員も1名削減し、効率化を図りました。
見積業務DXの実践知を共有
この提携により、東鋼は自社で培った見積業務の実践知を製造業各社に提供することを計画しています。「匠フォース」の導入過程で得られた経験を基に、見積業務の棚卸し、業務フローの再設計などの成功事例を共有し、他社の課題解決に貢献する方針です。技術コラムサイトやメールマガジン、工場見学会などを通じて情報を発信し、広く業界に影響を与えることを目指します。
未来のサプライチェーンを見据えて
将来的には、東鋼およびその取引先企業間で見積・図面情報のスムーズな共有環境を構築することを予定しています。これにより、サプライチェーン全体の業務効率化と生産性向上が実現可能となります。
提携の背景
東鋼は DX の推進を「データドリブン」の姿勢で行っており、経験や憶測に頼らず、業務から得られるデータを可視化し、効果的な経営判断につなげることを重視しています。この取り組みを通じて、営業利益の向上を図ることが目的です。
「匠フォース」の特長と機能
「匠フォース」は、製造業に特化しており、見積業務の属人化の解消や見積精度の向上に寄与するAIシステムです。過去のデータを利用することで、類似案件の検索や見積作成が効率的に行えるため、各社が蓄積したノウハウを組織の資産として活用しやすくなります。今後、両社は「匠フォース」を通じて、製造業界全体の生産性向上に寄与していくことを目指します。
結論
東鋼と匠技研工業の今後の提携関係は、製造業の業務効率化に具体的な影響を与える可能性があります。同社の独特な強みと連携することで、製造業全体の見積業務をデジタル化するための一歩前進が期待されます。これにより、新たなビジネス機会を創出し、持続可能な成長が促進されることでしょう。