虐待経験者のリアルな声、苦しみと希望の物語『親が悪い、だけじゃない』

2024年8月28日（水）に発売されるノンフィクション『親が悪い、だけじゃない虐待経験者たちのREAL VOICE』は、ドキュメンタリー映画「REALVOICE」の監督である山本昌子氏が、親からの虐待を経験した若者たちへのインタビューをまとめた作品です。

本書は、虐待をテーマにした映画「REALVOICE」に出演した若者たちへのインタビューを通して、彼らが経験した苦しみ、成長してから自覚した新たな苦しみ、そして自立とともに襲ってきた孤独を描いています。

山本昌子氏は、自身も児童養護施設出身という経験を持ち、若者たちの心に寄り添い、彼らの言葉を引き出しています。

本書では、虐待によって心に傷を負った若者たちが、どのように生き抜いてきたのか、そして未来に向けてどんな希望を抱いているのかが、彼らの言葉を通して語られます。

また、彼らを支える大人たちの奮闘や、傷ついた子どもたちへの支援の現状についても触れられています。

著者の山本昌子氏は、「この取材を通してしか聞けなかったであろう話を聞くことができた、本の形にすることができたという達成感」と語りつつも、「傷は簡単には癒えないという事実、SOSの出しづらさと届きにくさ、そして傷を負った人が『普通に』生きていくことがどれだけ困難な社会かということも知ってしまい、彼らのために何ができるだろうかと思うと焦燥感・無力感もあります。」と、複雑な心境を吐露しています。

本書は、虐待の現実を知り、傷ついた人々への理解を深めるための重要な一冊となるでしょう。

山本昌子氏について

山本昌子氏は、1993年生まれ、東京都出身。生後4か月から2歳まで乳児院、2歳から18歳まで児童養護施設、18歳から19歳まで自立援助ホームで生活した経験を持つ。

児童養護施設出身者の成人をお祝いするボランティア団体「ACHAプロジェクト」の代表を務め、こども家庭審議会こどもの居場所部会委員も務めるなど、積極的に活動しています。

出版情報

書名: 親が悪い、だけじゃない虐待経験者たちのREAL VOICE
著者: 山本昌子
定価: 2,090円（本体1,900円＋税）
発売日: 2024年8月28日（水）予定
体裁: 四六判／並製単行本
頁数: 320頁
ISBN: 978-4-04-114595-1
発行: 株式会社KADOKAWA