サステナブルな食品市場創造に向けた新たな取り組み
2025年6月、公益財団法人流通経済研究所と株式会社マイファームが共同で発足する「サステナブルプロデュースシステム(SPS)研究会」は、持続可能な食と農業の未来に向けて特に重要な一歩となります。この研究会の主要な目的は、サステナブルな取り組みを可視化し、またそれを社会的に評価される形で構築することです。これにより、消費者との信頼を深め、サプライチェーン全体での新品質管理システムの実現を目指します。
研究会設立の背景
近年、多くの企業や団体が温室効果ガス(GHG)排出削減やフードロス対策、資源の有効活用に向けたサステナブルな取り組みを進めているものの、個別の認証制度や活動が独自に展開されているため、統一的な評価基準は浸透していません。
特に消費者が環境への負荷の少ない製品を購入しない主な理由の一つは、「どの商品が環境に優しいのかがわからない」ことにあります。このような現状を打破するために、SPS研究会は包括的な評価軸を提唱し、食品業界全体のサステナブルな取り組みを支援するのです。
SPS研究会の目的とアプローチ
SPS研究会では、農業者、食品メーカー、流通業者が連携し、サステナブルであることを見える化するための具体的な行動や情報開示の方法について検討します。最終的には「環境と社会に貢献する価値を利益に変える品質管理システム」を構築します。これにより、サステナブルな取り組みは日常業務に組み込まれ、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを通じて無駄の削減やコストの低減が可能になります。
このSPSのモデルは規模を問わず、すべてのフードサプライチェーンで活用できるものとなり、これによりグリーンウォッシュの抑制にも貢献することを目的としています。また、GAPや有機JAS、ISO14000などの既存の認証制度と組み合わせて利用することも可能です。
研究会終了後の展望
研究が進行する中で、SPS研究会は持続可能な価値を効率的に管理するためのシステムを生み出し、消費者との信頼構築を更に促進します。これは企業のサステナビリティ情報の開示やESG(環境・社会・ガバナンス)投資への対応にもつながり、持続可能なフード市場の形成にも寄与することを目指します。
セミナー開催のお知らせ
SPS研究会の立ち上げにあたって、「サステナブル食品市場創造に向けたセミナー」を開催します。このセミナーでは、企業や農業者、流通業者などさまざまな団体が集まり、サステナブルな取り組みを「見える化」と「価値化」する方法について議論します。
セミナー詳細
- - 日時: 2025年6月26日(木) 13:30~16:30
- - 場所: ビジョンセンター市ヶ谷 3F302、東京都千代田区九段南4-8-21山脇ビル
- - 開催形式: リアル会場とライブ配信でのハイブリッド形式
このセミナーでは、業界の現状と課題、プロジェクトの進め方、意見交換会、そして「グリーンウォッシュ判定シミュレーション」ワークショップを通じて、参加者同士の理解を深めることを目的としています。参加費は無料で、興味のある方は是非お申し込みください。
研究会の主催者
- - 公益財団法人 流通経済研究所: 流通とマーケティングを専門に研究しているシンクタンクです。
- - 株式会社 マイファーム: 「自産自消」を理念に、農業と人々を繋げる様々な事業に取り組んでいます。
SPS研究会によって、私たちの生活における食と農の持続可能性が一層明確になり、人々が自信を持って選ぶことのできる食品市場の形成が期待されています。参加者の皆様のご参加を心よりお待ちしております。