三重県多気町での共助型ライドシェアサービス実証実験
三重県の多気町では、地域住民の協力による新たな交通システム、共助型ライドシェアサービスの実証実験が行われました。このプロジェクトは、三重広域連携スーパーシティ推進協議会、一般社団法人ふるさと屋、および一般社団法人日本自動車工業会の協力を得て、地域住民の移動の課題を解決するために取り組まれています。
実施背景と目的
多気町を含む6町(大台町、明和町、度会町、大紀町、紀北町)は、2019年に設立された協議会を通じて、地域の課題解決に向けた取り組みを進めています。特に多気町周辺は公共交通の整備が不十分であり、多くの住民が自家用車に依存する現状があります。このような背景から、地域の高齢者や子育て中の若い母親からは「自由に移動できない」との声が上がっていました。
今回の実証実験は、地域住民同士が助け合うライドシェアが、移動の不便さを解消する手段となるのかを検証することが目的です。特に自工会が提唱するMSP構想(Mobility Smart Passport)に基づいた取り組みとして、技術的な側面からも実証されました。
実施概要
実証実験は、2025年3月10日から21日まで、多気町とその周辺で実施され、利用者はオンデマンドで乗り合い交通を利用することができました。
共助型ライドシェアの運用に際しては、参加するドライバーが多気町民であることを証明するために、特定のアプリとデジタル証明書を活用しました。これにより、安全運転を評価するスコアも導入され、地域住民が信頼して利用できる仕組みが整えられました。
実証結果
実施後のアンケートでは、ドライバーと利用者双方から高い満足度が報告され、地域住民同士の交流促進が街の活性化につながるとの声も多く寄せられました。この結果、共助型ライドシェアサービスが地域住民の自由な移動を実現する一助となりえることが明らかになりました。
地域住民の声
多気町の久保行央町長は「新たな交通モデルの可能性を実感しました」とし、今後も持続可能な移動手段の確立に取り組む方針を示しました。また、ふるさと屋の中西眞喜子代表も「地域住民がお互いに支え合い、街が活性化することを願っています」と語っています。
自工会の山下義行リーダーは「誰もが自由に移動できる社会づくりは、自動車業界の使命です」と述べ、さらなる推進を発表しました。
まとめ
三重県多気町での共助型ライドシェアサービス実証実験は、地域の人々が協力し合い、移動課題を解決する新たなモデルとしての重要性を示しました。今後もこの取り組みを継続し、地域住民の豊かな暮らしを支えるための施策を進めていくことが期待されます。