生き物の知恵を未来の技術に活かす「Nature LAB」の魅力
2025年1月17日から2月24日までの期間、神戸市にある水族館アトア(AQUARIUM×ART átoa)で、バイオミミクリーをテーマにした企画展「Nature LAB」が開催されます。このイベントは、多くの企業や団体との協力により実現したもので、生き物が持つ素晴らしい特性を技術開発に生かすことを目的としています。
バイオミミクリーとは何か?
バイオミミクリー(生物模倣)とは、地球上の生き物が長い時間をかけて開発した形態や機能、能力を模倣し、それを新たな技術や製品に応用する考え方を指します。たとえば、ハスの葉が持つ撥水性を模した食品用のフタや、ヤモリの手足の構造をヒントに開発された接着剤なしで使用できるテープ、カタツムリの殻を参考にした汚れの付きにくいタイルなどがこれに該当します。これらの技術は、自然界の知恵を生かしたものであり、持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献する可能性があります。
「Nature LAB」の展示内容
この企画展には、バイオミミクリーをもとにした技術や製品に携わった14の企業や団体が協力しています。展示内容には、実際に開発された商品や、それがどの生き物の特性を模倣したものなのかが紹介されます。特に注目すべきは、色素を使わず微細な構造から反射される光によって色が見える「構造色」の技術を用いた印刷物です。これにより、エコロジーな印刷技術の一端を垣間見ることができます。
SDGsに寄与するバイオミミクリー
現代の地球環境問題を考えると、バイオミミクリーは非常に重要な技術です。バイオミミクリーによって開発された製品の中には、鳥の翼の形を参考にすることでエネルギー効率を向上させたエアコンのファンや、ホタテの形状を利用した環境に優しいテトラポッドなどがあります。これにより、エネルギーや資源の無駄を減らし、より持続可能な社会に寄与することが期待されています。
大阪ECO動物海洋専門学校との連携
この企画展は、大阪ECO動物海洋専門学校との産学連携プロジェクトの一環として開催されます。同校の学生たちが企画を提案し、最終的にバイオミミクリーをテーマとした展示が選ばれました。2025年1月26日には、学生たちによる展示解説も行われる予定で、実演や体験を交えながら、生き物の構造や能力を基にした技術について解説が行われます。また、同時に展示される「3D画像の生きものがフラスコの中を動き回る」作品も見逃せません。
展示概要
- - 企画名:Nature LAB ~自然の法則を活かした未来のデザイン~
- - 開催期間:2025年1月17日〜2月24日
- - 場所:アトア3階FOYER
- - 観覧料:無料(入場料は別途必要)
- - 協力企業:シャープ、富士フイルム、信越化学工業、東洋アルミニウム、他多数
このように、バイオミミクリーに基づく技術や製品が持つ可能性を知ることができる「Nature LAB」は、訪れる価値のある企画展です。自然がもたらすインスピレーションを感じながら、未来の技術開発に思いを巡らせる良い機会となることでしょう。