大和ハウス工業が開発した新しいデータセンター「Module DPDC」
大和ハウス工業株式会社は、2026年1月5日から新たにモジュール型データセンター「Module DPDC」の販売を開始します。この商品は、同社が長年培ってきた工業化建築技術を活用したもので、これからのデータセンターに求められる際立った利便性と高い安全性を兼ね備えています。
データセンターの需要増加と課題
近年、生成AIの急速な普及や通信インフラの拡大にともない、データセンター(DC)の必要性が以前にも増して高まっています。特に、クラウドコンピューティングの利用拡大により、DCの需要は飛躍的に伸びています。ところが、現在のデータセンター開発は、関東や関西の特定の地域に集中しており、地方への分散は進んでいません。このため、データセンターの建設には長期間(ケースによっては5年を超える)と高コストが必要で、企業にとっては大きな負担となっています。
このような現状を改善するため、日本政府は「デジタル田園都市国家構想」に基づき、民間企業によるデータセンターの地方分散を支援するとともに、大規模災害に備えたデジタル基盤の強化を目指しています。これが、モジュール型データセンター「Module DPDC」の開発を促す背景となりました。
「Module DPDC」の特徴と利点
「Module DPDC」は、土地選定から施工までの通常の過程を最適化し、短工期でデータセンターを提供することが最大の特徴です。部材の一部を工場で製造し、現場で組み立てることで、驚くほど効率的な建設プロセスを実現しました。これにより、契約から引き渡しまでの期間が約1年に短縮され、特に小規模なデータセンターの需要にも応じた柔軟な対応が可能となります。
さらに、当商品は、既存の高圧電力受電インフラを利用できるため、電力確保もスムーズです。このことで、特別高圧電力の送配電インフラを新たに整備する負担を軽減し、迅速な運用を実現しています。
卓越した耐震性とセキュリティ
「Module DPDC」は、日本データセンター協会が定める最高レベルの「Tier4」規格に準拠した堅牢な構造を有しています。耐震性の確保だけでなく、UPSなどのバックアップ設備や厳重なセキュリティ管理が施されているため、万が一の災害時にも安定した運用が可能です。1モジュールの延床面積は約200㎡、計画次第では約1,000㎡の用地から建設が開始できます。
オールインワンパッケージで簡単導入
この新製品は、DCを構成するすべての要素(サーバーラック、電気設備、空調設備)を一つのパッケージとして提供します。そのため、顧客のニーズに合わせて、簡単にスケールアップやカスタマイズが可能です。また、高密度なGPUサーバーも対応した設計となっており、利用シーンに応じた運用が実現します。データセンター業界において迅速な導入と効率的な運用の両立を目指す方にうってつけのソリューションです。
まとめ
大和ハウス工業は、データセンターの工業化を推進し、「Module DPDC」を通じて日本のデジタル社会における持続可能な基盤構築に貢献することを目指します。今後もさらなる展開に注目です。気になる方は、ぜひお問い合わせを。全国での導入が可能ですが、沖縄県は除かれることに注意が必要です。