クラシックな名が蘇る - KAZÉへの名称変更
2025年12月10日、パリにおいて、ハーパーコリンズ・パブリッシャーズ傘下のペガサス・マンガは、クランチロール・マンガという名称を引っ込め、創業当初のブランド名「KAZÉ」を復活させることを発表しました。この名称変更は、35年以上にわたるフランスとドイツでのマンガ出版の伝統を体現するものであり、今後の国際展開を見据えた新たなステージへの扉を開くものです。
ペガサス・マンガのインターナショナル・グローバル・パブリッシャー、井山英貴氏は言います。「私たちの目的は読者との絆を再構築し、KAZÉが象徴する関係性を取り戻すことです。」この言葉からも、ブランドが持つ文化的な価値や信頼感を重視する姿勢が見て取れます。
KAZÉブランドの復活と新たなビジョン
KAZÉは、過去に確固たる商業的成功を収め、批評家からも高く評価されたブランドであり、優れた編集と創造的なエネルギーを兼ね備えています。新しいCEOのシャンタル・レスティーボ=アレッシ氏も、KAZÉは芸術的自由と編集の卓越性を象徴するものだと語っており、このブランドが持つ特別な存在感に注目が集まっています。
ブランドロゴも進化を遂げています。伝統を守るための大胆な赤い正方形はそのまま残しつつ、より現代的なラインや繊細なディテールが加えられ、デジタル時代に対応した親しみやすいアイデンティティに生まれ変わりました。このビジュアルの変化は、KAZÉの再出発を象徴するものであり、多くのファンを再び惹きつけることが期待されます。
新ラインナップの紹介
2026年には、新しいKAZÉブランドのもとで、様々な新作が登場します。特に注目されるのは以下のシリーズです:
- - フランスでは「黎明のアルカナ」や「王の獣」、
- - ドイツでは「HEART GEAR」や「あそこではたらくムスブさん」などがあります。
これらの作品は2026年4月以降に出版される予定で、既存のシリーズも変更なく続行されます。特に注目すべきは、これらのラインナップがKAZÉの名前のもとに展開されることにより、新たなファン層の獲得が期待される点です。
KAZÉの未来と可能性
ペガサス・マンガのマーケティング・ディレクター、ジェローム・シェリム氏は、KAZÉを再導入することは、自社の文化や理念の核を再確認する意味もあると述べています。マンガの世界において、KAZÉを再び強力で認知度の高いブランドとして確立することが、今後の大きな目標となります。
ハーパーコリンズ・パブリッシャーズは、世界各国で150年以上の歴史を持ち、毎年約10,000点の新刊を出版するなど、その国際的な展開にも強みを見せています。これを背景に、KAZÉブランドの復活がどのような影響を及ぼすのか、業界全体が注目しています。今後もKAZÉから目が離せません。