Miu Miu Summer Readsに円地文子の名作『女坂』が登場！

Miu Miu Summer Readsにおける円地文子氏の『女坂』の選出

Miu Miuは、内省と知識の時間を大切にすることを目的にしたイベント「Miu Miu Summer Reads」を2025年6月に世界5都市で開催します。その中で、日本の著名な文学作家、円地文子氏の代表作『女坂』が特に選ばれました。このイベントは、Miu Miuの芸術振興と文化体験の一環として、言葉の力を通じて現代の思想とコミュニティとの結びつきを深めることを目的としています。

円地文子氏の『女坂』は、明治時代を背景にした物語であり、家に殉じることで真実の愛を知ることができなかった悲劇的な女性の一生を描いています。彼女の作品は、女性の視点から人間の存在の意味を問いかけるもので、特にフェミニズムの観点からも評価されています。Miu Miuは、彼女を「女性の老いと性に関する先駆者」として位置付けています。

「Miu Miu Summer Reads」イベント詳細

イベントは2025年6月28日（土）と29日（日）、時間は11時から19時まで、場所は「うめきた公園ノースパークVS.前およびLOHE大阪梅田店」で行われます。昨年に続くこのイベントでは、北京、香港、ミラノ、パリ、大阪の5都市の公園が特別な読書の場に変わります。

当日、参加者には円地文子氏の『女坂』とともに、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの『The Inseparables』も特製パッケージにて提供され、いずれか一冊がプレゼントされます。ただし書籍は数量限定となっており、なくなり次第終了となるため、興味のある方は早めの参加をお勧めします。

書籍内容に迫る

『女坂』の物語は、夫のために妾を探す妻という複雑な状況を描写し、明治時代における女性の苦悩をリアルに表現しています。著者の円地文子は、全てを犠牲にし、真実の愛を見出せなかった女性の悲劇を描き出すことで、当時の社会における女性の立場や感情を鋭く切り取っています。多くの読者に深い共感を呼び起こす作品となっており、1961年の出版以来、今もなお多くの人々に読み継がれています。

円地文子について

円地文子（えんち・ふみこ）は、1905年に東京で生まれた国語学者であり、文学者でもあります。彼女は早くから古典に魅了され、特に江戸末期の頽廃的な美学に親しみました。1935年には戯曲集を発表し、その後小説に転向。彼女の作品は、女性のさまざまな視点や感情に深く迫っています。代表作には『朱を奪ふもの』や『傷ある翼』、『虹と修羅』などがあります。彼女はまた『源氏物語』の現代語訳にも取り組んでおり、文化勲章も受章しました。

円地文子は1986年に亡くなりましたが、彼女の作品は日本文学の重要な一部として今も読み継がれています。Miu Miuのイベントを通じて、彼女の文芸の世界に触れ、多くの人々が新しい知見を得ることを願っています。