低炭素セメントの未来
2025-02-07 11:24:42

住友商事とFortera社が低炭素セメント製造の覚書を締結

住友商事とFortera社が手を組む



住友商事株式会社は、米国の低炭素セメント製造技術を持つFortera社と共同で、日本国内でのセメント製造事業を進めるための覚書を締結しました。これは、住友商事が米州住友商事会社傘下のPresidio Ventures, Inc.を通じて出資したFortera社との連携を強化するものであり、特に環境への配慮が求められる中、重要な一歩といえます。

環境問題への挑戦



セメントは、コンクリートの基本的な原料として広く使用されていますが、その製造プロセスは環境に対して大きな負担をもたらす側面があります。日本全体のCO2排出量の約4パーセントを占めるセメント製造は、鉄や化学品の次に多くのCO2を排出しています。その中でも、石灰石を熱分解する過程で大量のCO2が生じており、これを削減するための技術は十分に開発されていないのが現実です。

Texte: Fortera社が提案する技術は、セメント製造時に発生するCO2を新たな形に変えるものであり、酸化カルシウムに再吸着させることが特徴です。これにより、製造時のCO2排出量を最大60パーセント削減可能になるとされています。この技術を導入することで、環境への負荷を軽減する新たな可能性が開かれます。

2030年に向けた展望



住友商事とFortera社は、2026年度中に日本国内での商業化を目指してパイロット生産を行う計画を立てています。この共同プロジェクトは、住友大阪セメントとの技術評価を通じ、現実的な製造モデルを模索することが目的です。特に高効率な熱源として再生可能エネルギーを使用すれば、完全にCO2を排出しないカーボンフリーセメントの製造が実現する可能性も秘めています。

アジア市場への展開



さらに、事業が成功し、日本におけるモデルが定まれば、アジア地域への展開も視野に入れています。Fortera社は、気候変動問題に対して影響力のあるリーダーとして認められているCEO、Ryan Gilliam氏が率いており、そのビジョンには多くの期待が寄せられています。2019年に設立されたFortera社は、持続可能なセメント製造の先駆けとなるべく、着実に進化しています。

このプロジェクトは、セメント業界の再構築はもちろん、環境への配慮を徹底し、循環型社会の形成に寄与することでしょう。今後の動向に注目です。


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会社情報

会社名
住友商事株式会社
住所
東京都千代田区大手町2-3-2大手町プレイス イーストタワー
電話番号
03-6285-5000

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